我が家を施設のようだと思った話

2021年06月12日

自分の家は、施設のようだとの感覚を持ったのは、ごく最近です。

You Tubeなどで施設で育った人たちの体験談を見聞きするようになって、近しい感じがいっぱいあったからです。

一般家庭とは違う暮らしの独特のルールがあって、なによりもそれが優先される。
だから、
基本我慢している。
一定の緊張感が持続している。

自分を養育する大人は、
親じゃない。
世話をよくしてくれる人。

だから、敬語を使う。

許可を取らねばならない人。

食事の世話や病院に連れて行ったりの世話をしてくれる人。

よくしてくれる人。
一定の範囲で甘えられる。条件付きで欲求をかなえてくれる。

自分が子どものうちの今、
育ててくれてる人。

そういう意味で感謝してるし、心も寄せている。

そんな感じ。

さて、我が家は、
親たちの気まぐれでどうとでもなるルールに支配された緊張感のある場でした。
だから、気まぐれにいつ自分が捨てられるか分からない。

このことはきっと、
親が同じような境遇で育ったことの影響は大きいでしょう。
私と同じような緊張感を持っていたかもしれません。

片親は他人の中で育ち、力による支配を学んだようです。
家族でない他人が支配する環境です。
※丁稚奉公のイメージが近いでしょうか。

片親は折檻する実親を恐れています。
こちらも親の機嫌に振り回されるところの、力による支配の養育体験です。

※虐待の英語表記は、ub-useです。きっと親の力の不適切な利用って意味でしょう。親の権限の悪用です。
力・権限を濫用しての養育は虐待になるということですね。

言葉を手にすることは救いになります。
施設のようだった。
との言葉は、私の苦悩を言い表すのに適切です。

最近、宗教2世という言葉を知りました。
親の宗教が自分の人生を縛っている子って感じです。
私これそうなんです。

クリスマスは経験したことありませんし、そもそも話題にも上りませんでした。
地区の子どもみこしを担ぐの担がないので親は役員さんと一悶着ありました。
宗教行事の日には、学校を休むのが本来だが、うちは学校に行かせてやっているとして、親は自分の寛容さを何度も主張していました。

世の中のルール・常識より宗教が優先されていました。
もちろん子どもの気持ちよりも。
ひょっとしたら、親の気持ちよりも。

当時の私は、
死んだ人だけ大事にする家だと評していました。

今改めて考えると、
実は親も宗教に縛られていたように思えます。

信仰の喜びが両親から感ぜられなかったからです。
死んだ人を大事にするために、やらねばならないことばかりの、義務感ばかりが際立っていました。

言葉は、気づきを促します。
救いにつながります。

最近の救いにつながる言葉は、他に、
ヤングケアラーがあります。
幼い頃から、親の世話をすることが役目となって、自分の人生に大きな制限がかかっている人って感じです。
これも私です。

精神疾患や障害のためや、宗教のことで手一杯で、
いろいろなことがおろそかになる両親に配慮するのが子である私の役目でした。
そうじゃないと、家が持たないのです。
暮らしがやっていけないのです。

これまた最近、
親を捨ててもいいですか? という刺激的なNHKの番組がありました。
NHKのクローズアップ現代+です。
URLは、
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4541/index.html

どんな親でも捨ててはならないという世間の常識に呪われている大人になった被虐待児。
って印象を持ちました。

嫌なら会わなければいいじゃない。
縁を切ればいいじゃない。
という、これまた世間の常識にもとづく通説が役立たないことが明らかにされます。

家族は家族の世話を、親の世話を焼くもんだという社会の常識があるために、
たといしばらく会わなくても、縁を切ったとしても、

親が死んだとき、病院に入院したとき、などひどい状態で、
連絡を受けた方としては逃げられない状態で、

自分の元に親とのつながりが無理矢理やってくる予想ができるから、

親を捨てられない。

なんだか、
結局つけが回ってくる感じ。

だから、そういう夢は捨てて親と関わり続ける。
親の世話を焼く。

番組に出た当事者の人は、そんな感じなんだろうなと思えました。

私も同様です。

結局、社会は家族とつなげて来る。
それが社会常識的に正しいことだから。
戸籍でつながっているから。

そんな予想がつくから、親と縁が切れた人生を捨てている。
親がつきまとわない人生を捨てている。
そんな人たちに、

親を捨てる。

という言葉は、救いになるかもしれません。

実のところ、そういう心持ちになると、
親との新しい関わり方ができるようになるようです。

親の世話を専門業者に頼むとか、割り切って世話を焼き、新しい関係を築くとか。
いろいろ。




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