自助グループの言い伝え

2024年03月10日

数年ぶりの投稿は、改めて私の原点である自助グループの言い伝えを記したいと思います。
世界中の多くのグループで採用されている言い伝えです。
日本では、平安の祈りと呼ばれています。

神様、私にお与えください。
自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを
変えられるものは変える勇気を、
そして、二つのものを見分ける賢さを。


自分のこれまでの生き方を「まともじゃない」としぶしぶながら認めた人たちが、
まともな人生を歩むために日々祈っています。

グループを卒業して十数年経ちますが、今でも頭の片隅にこの言い伝えは残っていて、
いろいろな場面でしらず口にしています。
人生の指針になる言い伝えです。

さて、
自分に変えられるものと変えられないものについては、
心理療法でもよく話題に上ります。

変えられないものを必死に変えようと人生をかけている時、苦悩は絶えません。
ひきこもる我が子を動かそうとしたり、自分に冷たい社会を自分好みに変えようとしたり。
どうにもならない過去を恨んだり。

変えられない他人と過去についてばかり意識を向けて生きていると、不満はたまるばかりです。

一方で、自分に変えられるものとしては、自分自身のことがあります。
考え方、受け止め方、距離のとり方、期待の持ち方、何をするか、しないか。
全部自分で変えられます。変えないこともできます。

自分が望めば、
過去の選択を変えて新しい選択はできるのです。

もし、これまでは選択肢が少なすぎて「そうやるしかなかった」としても、
これからも、「そうやるしかない」ことはありません。
今までは、「そうやるしかなかった」けど、
これからは、「そうじゃなくて、こうします」
ができるのです。

自分を苦しめる自分の選択を変えて、
穏やかに暮らしていける選択を選ぶ。

そんなことが今より楽にできるように。
祈っています。  
タグ :平安の祈り


Posted by 聞風坊 at 00:00Comments(0)自助グループ

年の瀬のご挨拶

2021年12月27日

皆様、寒波襲来の令和3年西暦2021年の年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナで緊張が強いられる毎日ですが、ワクチンや薬も開発され、少しずつどうやって行けばいいかが分かりだした今年でした。

新しい生活様式への転換は戸惑うことも多いのですが、愚痴をこぼしながらもなんとかやれるようになってきましたね。

本年も、ご来訪ありがとうございました。
思うところあって発信を控えるようにしました。
ひきこもりに関するたいがいのことは伝え尽くした感じもしています。

気まぐれに、また何か伝えたくなったら、
発信するかもしれません。
それは、この場かもしれませんが、新しい形でお伝えすることになるのかもしれません。

ご縁がありましたら、またお目にかかることもありましょう。

どうぞ皆様、ご健康でありますように。

よいお年をお迎えください。

令和3(2021)年12月27日(月)

聞風坊 
  
タグ :ご挨拶


Posted by 聞風坊 at 11:05Comments(0)社会のこと

よりよくとより悪くならないようにの違いでした。

2021年08月15日

対人支援フィールドの違い。
について考えました。

試みに、フィールドをものすごくざっくりと分けてみました。

社会参加している人向けのフィールド
と、
社会参加していないあるいは大きな困難を抱えつつ社会参加している人向けのフィールド

の2つです。

前者は、既にもう社会でよろしくやれているのだから、
これを支援するとなると、

より自分らしくなるため、より暮らしやすくするため、より便利に、より幸せに、より楽しく・・・。
なんて、その人の状態をよりよくするための支援となるでしょう。

具体的には、
より学力が上がる、より収入が上がる、今健康だけどこの先も健康でいつづけるできればより健康になる、より楽しくなる、よりやりたいことができるように、よりチャレンジする、よりきらきら充実した人生を送れるように支援する。

例えば、
学校に行っている子どもに、
より自然とふれあうために屋外活動をさせる、より世界を広く知るために留学させる、
社会構造をより知るために工場見学させる、よりコミュニーションが取れるようにスマホを与える・・・。

働いている人に、
より給料のいい転職先を案内する、より自分らしい働き方を提案する、より能力を発揮するためにコミュニケーションやリーダーシップや職業技術スキルアップ研修を実施する・・・。

とか。

一方後者の、社会参加していなかったり、とっても苦労しながら社会参加していたりの場合は、

その要因ごとに、
生活費の工面をしたり、仕事の世話をしたり、家事育児看護介護サービスが利用できるようにしたり、
病気やケガの治療を促したり、障害サポートにつないだり、
それらが実行できるための事前練習、気持ちの整理、理解促進のための説明、レクチャーを繰り返したりする。

でしょう。

そうして極端な話、今日一日生きられるように支援する。
だって次また支援できるとは限らないし。

だから、
よりよくなんて贅沢は言えない。言わない。

まずは、
よい状態に持っていくのが一番の目標となるから。

なぜなら、
標準以下の生活状態(QOL)だから。

だから、
世間一般の人の暮らしの標準に達するように支援することになる。
せめて、
今より少しでも近づくように。
そう、今より悪くならないように。

こんな風に考えてきた結果、結論めいたものにたどり着きました。
私が感じたフィールドの違いはつまり、

よりよい状態を目指す支援
と、
より悪くならないようにを目指す支援

のフィールドの違いみたい。
なのでした。

読者皆さんのなにかのお役に立てれば幸いです。
  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)社会のこと