ひきこもり当事者本のご紹介

2020年05月30日

ひきこもり当事者16名がそれぞれの体験を言葉にした本が今月刊行されました。

こころの科学 メンタル系サバイバルシリーズ
『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』
(林恭子 斎藤環編 斎藤環、松本俊彦、井原裕監修 日本評論社 2020)
出版社のサイト
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8293.html
です。

私も書いております。

よろしければどうぞお手元に。


  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)拙著本の紹介不登校

メンタライジングと「こもって、よし!」のこと

2018年08月15日

 メンタライジングとかメンタライゼーションとかいう考え方や心理療法があるようです。

 他者の心について、知り、感じ、想像し、共感するなどして、他者とイイ関係を築き、

 社会でよろしくやっていくための効果的なアプローチのようです。

 ※個人的には「心の理論」なんていう呼び名の方がなじんでるんですが。

 相手には、相手の気持ちがあり、受け取り方があり、都合なり、相手の自由意志がありということを知って、

 それらを尊重して一緒に社会をやっていく練習をするみたいです。

 同じように、自分にも自分の気持ちがあり、自分なりの受け取り方があり、自分の都合があり、自分の意志がありますので、

 それらも尊重しつつ、相手とよろしくやっていくことになるのでしょう。

 ひとりよがりにならずに、それでいて相手に従属することもなくやっていくためには必要なことだと思います。

 親子関係でいうと、親が子どもの気持ちや受け取り方や考えた都合を尊重する。
 子どもも親のそれらを尊重する。
 そうして親子関係をよろしくやっていく。
 家族としてやっていく。

 となるでしょうか。

 職場なら同僚同士、上司と部下、取引先と自社でしょうか。

 支援者と利用者も同様でしょうね。

 拙著『こもって、よし!』では、これに通ずることを書いています。

 フォルダを作る。

 という表現です。

 私の中に、相手のことについてのフォルダを作って、
 相手のことをまるごとそこにファイルするというイメージです。

 解釈などの加工をせずにまるごとそのまんま保存する。

 自分のフォルダは別に独立保存してあるので、相互干渉はない。
 双方安全に保存されている。

 そんなイメージ。

 こうすると、相手の立場に立って感じたり、考えたりという想像がしやすくなります。
 私の中にある相手のフォルダを検索すればいいのだもの。

 同様に、私の中にある自分のフォルダを検索すれば、私ならどう感じるかということが分かります。

 比較対象もしやすくなり、

 都合、折り合いもつけやすくなります。

 私とあなたの境界を踏み越えずそれでいて協調してやっていくことが期待できます。

 私の中の私のフォルダの中に無理やり相手のことを入れ込もうと苦心惨憺したり、
 それでもどうにも難しくて相手のことが受け容れられずに排除してしまったりする事態を避けられます。

 小耳にはさんだメンタライジングと、拙著の心の理論である「フォルダ」理論の話でした。

  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)心理・カウンセリング拙著

『関わることを考えよう』のご案内

2017年07月17日

 拙著紹介シリーズ最終回は、

 『関わることを考えよう ボクたちはこうしてほしいんだ。』

 です。

 これは2015年。

 なんと自助活動の第一線から身を引いて、支援職としてリブートした当初の本です。

 これまで、支援を受ける側として暮らしてきた聞風坊が、

 支援職としてもっぱら他人様の支援を行う立場になって2年半。

 諸般の事情で、1年ほどの余裕のある暮らしができたので、

 これまたせっかくだからと、支援職仲間と一緒に仕事する中で感ずるところを文にまとめ、

 商業出版は無理だろうとそうそうに舵をきり、

 今回も自費出版の運びとなった一冊です。

 一番素の自分を記した本となりました。

 こもってのときは、自助グループ活動を背負っていたし、

 親育てのときは、TA・交流分析について知らしめるという重責を担っていたし、

 結構プレッシャーがきつかったんです。

 文体からわかるように、ヤンチャに言いたい放題やってます。

 医者に言いたいこと、心理職に言いたいこと、
 教育者に言いたいこと、就労支援者に言いたいこと、
 親に言いたいこと、当事者に言いたいこと、
 社会に言いたいこと

 を簡潔に言ってます。
 要望してます。
 提案もしてます。
 
 誰に読んでほしいかというと、当事者を支援する立場にある人たちです。

 当事者活動をする中で、私が感じ、仲間が感じていることをピックアップしたつもりです。

 ボクたちの発するコトバをうのみにしないでほしい。心意を感じ取ってほしい。

 感情を吐き出せ。なんて言わないでほしい。ゲロは苦しいんだ。

 教育という名の矯正をしないでほしい。強要は無論。

 落ち着いてボクたちのことを理解して欲しい。同意しなくてイイから。

 みたいなことを書いています。

 そんなこんなで、

 体裁として見開きで1テーマというミッションもクリアできました。

 個人的に、ひきこもり3部作が完結した気持ちになっています。

 だから、
 当事者個人の体験を記した形態としては、この本で一応筆を置くつもりです。

 そんな拙著、ご興味あれば、どうぞご連絡を。
 頒価1,000円です。



  
タグ :関わること


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)拙著

『親を育てるひきこもり』のご案内

2017年07月14日

 本の紹介シリーズです。

 今回も拙著です。

 『「親」を育てる「ひきこもり」』

 は、2009年に自費出版しました。

 相変わらず、自助活動人として、自分の変化と成長が一番の生活をしていた当時、

 夢中になっていたのが、TA・交流分析でした。

 TA・交流分析は、
 
 エリック・バーンという人が創始した心理臨床の理論と実践体系です。

 その中に、セルフ・リ・ペアレンティング=自己再養育療法なんて呼ばれるアプローチがあって、

 それが、私の日頃の実践とよくマッチしたのです。

 さっそく、TAのセルフ・リ・ペアレンティングの本を読むと、あらびっくり。

 自分の体験と重なることがいっぱい。

 これは、文として記録せねばと思い立ち、前著と同じ調子で、原稿を書き、

 今度は、厄落としの意味も込めて自費出版としました。

 内容は、

 一人部屋にこもっていながら、自分を癒し、変化と成長をするマニュアルです。

 こもる人は、人づきあいが苦手です。
 もちろん、医者やセラピスト、カウンセラーも苦手。
 だから、病因や相談に行かない。行けない。

 だったら自分でやろう!
 自助的な発想です。

 ということで、セルフセラピーマニュアルとなりました。

 こもる人に代表される生きづらさを抱く人たちが、

 密かに一人で行える自分のためにできることを記しました。

 生きづらさの根源の解説をTA理論に求め、

 自分にダメ出しする自分(P-)と、素の自分(C-)との葛藤ととらえ、
 その二つの調和を図る自分(A)を強めていくやり方です。

 昼夜逆転への取り組み方などを事例として挙げています。

 昼夜逆転は自分に必要なんだ。

 それでいてときどき困るんだ。

 じゃどうする自分?

 という感じ。

 雰囲気としては、認知行動療法に近いかもしれません。

 TA・交流分析入門書としてもなかなかの出来映えと思っています。

 頒価1,000円です。
 ご興味あれば、どうぞご連絡を。



  
タグ :拙著親育て


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)拙著

『こもって、よし!』のご案内

2017年07月11日

 自分の本もご案内します。

 本屋で買えることができる唯一の本

 『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』

 です。

 出版は2005年ですが、当時は、自助グループ活動が人生の中心でした。

 学びが多く、とっても貴重な成長の場を頂いたので、

 その記録として、

 書かねば!

 という思いから原稿を書きました。

 もしやと思って出版社に何件か相談したら、

 地元の鉱脈社さんが関心を持って下さり、出版となりました。

 自分が書いた原稿が、少しずつ本の形になっていく過程で、

 何人もの職業人が精魂込めて仕事している姿に心動かされたことを今でも思い出します。

 原稿をタイプする人、構成を考える人、本の体裁を考える人、デザインを描く人、会社受付の人・・・たくさんたくさん。

 一つのことを成すって、たくさんの人の思いがこめられているんだと感動したものでした。

 さて、この本、ひきこもり状態を赤裸々に描写・分析した前半と、
 そんな筆者が、自助グループ活動を通してどのように変化成長していったか、

 そして、
 そんなグループを運営するためのマニュアルを記した後半、

 の二部構成なんです。

 これまでもっぱら、前半部分が強調されていますが、

 書き手としては、後半のひきこもり当事者だけの自助グループを説明するための前置きだったので、

 なんだかビミョーな感じとなっています。

 この本をマニュアルとして自分なりの自助グループを立ち上げてもらえたら、

 飛び上がって喜ぶ聞風坊です。

 こもる人たちは、人と関わりたいのに関わることにひどく怯えています。

 そんな人たちが、リスクを極力少なく集える場作り。

 グループの周知の仕方、開催日時場所の選定、グループのルール、ミーティングでの配慮、メンバーとの関係、リーダーシップ・・・。

 これらをひたすら意識して活動しました。

 本には、こまごま記しています。

 もし、そんな場作りに興味があれば、どうぞお手にとって下さいまし。
  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)拙著