テンションが低すぎること

2017年06月06日

 人の覚醒度、シャキッとしてる度合いについての連続記事です。

 前回は、シャキッとし過ぎの、過覚醒、高覚醒状態についてでした。

 今回は、シャキッとしなさ過ぎの、低覚醒状態についてです。

 一般的に、何か脅威を感じ取ったときに、人のテンションは上がります。

 本当に脅威なのか?

 どれほどの脅威なのか?

 対決できるか?
 だとしたらどんな風に?

 逃げた方がいいのか?
 だとしたらどこに向かって?

 それらのことを短い時間に判断せねばなりません。

 ゆっくり吟味する時間はありません。

 だから、シャキッとテンション上げて、集中して、反射的に、本能的に、対応します。

 その結果、安全を確保できたら、テンションは通常の段階に下がります。

 ところが、安全が確保されなかったらどうなるでしょう。

 どうにもならない脅威、恐怖からせめて意識だけでも逃れるために、意識をシャットダウンするのです。

 いわゆる放心状態。

 交感神経系から副交感神経系に切り替わるので、
 呼吸は穏やかに、心拍や血圧も下がり、筋肉はゆるみます。

 この状態、ときに幸福感すら感じるともいわれています。

 こうして、脅威が去って行くのを待つのですね。

 一般的な表現だと、

 元気がでない、落ち込んでいる、やる気が起きない、ボーッとしている、なんて言われる状態でしょう。

 思考できず、判断できず、活動できず、反応できず、ボーッとしている、じっとしている。

 一見リラックスしている。

 そんな状態。

 思考したり、他者と会話したりする大脳より古い脳が優勢なのは、高覚醒の状態のときと一緒です。

 不登校やこもっている人たちの多くはこの状態で長い時間を過ごしているかもしれません。

 思考をつかさどる大脳が働いていなくて、動物的本能をつかさどる古い脳が優勢な状態。

 だから、
 今どんな気持ちなのか? 何を考えているのか? または将来のことなど尋ねても返答は無理なんです。

 余計な力みがないリラックス状態ではなくて、脱力、放心している状態だからですね。

 こんな状態の人と関わるとしたら、
 相手に脅威と感じられないように穏やかに話しかけて近づいて、相手の大脳が活動し出すのを待つことが重要です。

 話しかける、声をかける、近づく、目を合わせる・・・。

 それだけで、少しばかり覚醒が高まります。

 今はそれだけで。

 ・・・。

 次回は、適度な覚醒状態=リラックス状態について。


タグ :低覚醒うつ

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