自責の念が強い子どもだったような話

2020年05月31日

失敗のうち、
自分の気遣いが至らなかったこと。
自分の考えが及ばなかったこと。
振る舞いを知らないばかりに周りに迷惑をかけたこと。
注意を怠って優しさに欠けた言動をとったこと。

を繰り返し繰り返し反省し、自責の念に駆られ 恥じ入り、身もだえし、自己嫌悪に陥っていた経験がたくさんたくさんあります。
子どもの頃。

大人になった今でも。

反芻思考というのですが、まったく今後に活かせない反省っぷりなのです。
ただただ自分をいじめ、辱めるためだけの反省です。

だから、
まったく意味がない。
にも関わらず繰り返し繰り返しやっている。
やめようにもやめられない。

なぜなんだろう? どうしたらやめられるんだろうと長年悩んできました。

最近、ふと思い至りました。

責任のある立場にあるときに、こういう状態になりやすいと。
指導的な、範を垂れるべき、リーダーとして言動に配慮が求められる立場にあるときです。

子どもなのに、そんな立場にいました。
アダルトチルドレンの家族の責任を負う役やヤングケアラーと呼ばれる立場がそれに当たるかもしれません。
大人からの過度な要求に応えねばならない立場です。

責任のある言動をせねばならない大人になった今では、当たり前と言えば当たり前の立場ですが、
でも一般的な大人よりはちょっと責任を負い過ぎている感は否めません。

普段、自分に厳しい倫理的な要求を課しているので、
気を緩めた場合に、後からこっぴどく自責するのでしょう。
役目を放棄した! 
責任から逃れた!
みたいに。

普段、責任を負いすぎているかもしれない。
ということで、普段少し気を緩めてもいいかもしれないなと思ったのでした。

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ひきこもり当事者本のご紹介

2020年05月30日

ひきこもり当事者16名がそれぞれの体験を言葉にした本が今月刊行されました。

こころの科学 メンタル系サバイバルシリーズ
『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』
(林恭子 斎藤環編 斎藤環、松本俊彦、井原裕監修 日本評論社 2020)
出版社のサイト
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8293.html
です。

私も書いております。

よろしければどうぞお手元に。


  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)ひきこもる拙著本の紹介不登校

「うつ」のイメージは、実情とはちょっと違うかもしれない話

2020年05月27日

「うつ」と呼ばれる精神不調な状態になる人は、実は割と多く、
以前は心の風邪とたとえられるほどでした。
実際は1週間ほどで治る風邪ほど軽い症状ではないので、この喩えはもう廃れてしまいました。

一般的に、「うつ」のイメージと言えば、
元気がなく、
ぼーっとしていて、
横になっていることが多く、
食欲もなく、
な感じでしょうか。

鬱々(うつうつ)としている感じ。

でも実際は、
イライラしたり、怒りやすかったり、
アルコールをガンガン飲んでいたり、
残業や早出や休日出勤するほどバリバリ働いている(風に見える)場合も少なくありません。

うつうつしていて元気がないイメージとはちょっと違う。
むしろ、エネルギーがとても強い感じ。

これも実はうつ状態であることがあります。

「うつ」

実は、
抑うつ状態。
と呼ばれることが医療や心理の世界では一般的です。

ものすごくおおざっぱで砕けた説明をするならば
抑圧がかかって、うっせきが溜まって精神的にアンハッピーな状態でしょうか。
この説明で、そんなに外れてはいないと思います。

やらねばならない! と言う責任がもたらす重圧。
そのために自分の望むまま、自由にできない不満、鬱屈。

理不尽に対する憤懣。
にっちもさっちもいかない状況で気持ちのやり場に困り続けている。

そんな状態だから、
イライラ感がつのり怒りやすくなる。

心穏やかじゃないので、ちょっとしたことが気になり、不安が増す。
不安になること、気に入らないこと、気が滅入ることばかりに意識が向く。

そこで、
アルコールや煙草などの嗜好品をたくさん摂って、
または美味しいものを食べすぎるほどにたくさん摂って、
少しでも心の満足感を得ようとする。
または、
仕事に打ち込むことで、充実感を得ようと休まず働く場合もあるでしょう。

でも、根本的な解決にはならない。アンハッピーな鬱屈した気持ちはずっと続く。

そんなこんなで幸福感からほど遠い生活を強いられるので、
心が元気でない状態になるのは自然の理です。

イライラしている。怒りやすい。働き過ぎ、活動しすぎ、気にしすぎのときは、
実は、
抑うつ状態で、心が安らぐことが不足している状態かもしれません。

抑うつ。
ポイントは「抑」みたいです。
「抑」があるから「うつ」になる。
ただ「うつ」状態であるというよりも「抑」の影響で「うつ」状態になっていることを考慮する。

「抑」
上から抑えつけられている。
上から責められている。怒られている。ダメ出しされている。
そんなイメージ。

私たちは、うつに対するイメージを新しくする必要があるようです。

そして、自分や家族や友人知人がもしそのような状態のような気がしたら、
精神科、心療内科、心理相談、またはかかりつけ医に相談することは役に立つでしょう。
  
タグ :うつ抑うつ


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)心理・カウンセリング

発達障害の人の会話力ワークショップ本のご紹介

2020年05月26日

イイトコサガシの冠地情さんが漫画家のかなしろにゃんこさんとタッグを組んで、

堅苦しくなく、それでいてとても役立つワークショップの本を刊行されたました。

『発達障害の人の会話力がぐんぐん伸びる アイスブレイク&ワークショップ』
(冠地情 かなしろにゃんこ著 講談社 2019)
出版社のサイト
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000311972
です。

図解というかマンガ仕立てなので、どうしたらいいかがとてもイメージしやすく、
必要な部分だけ抜き出してもすぐ活用できるワークがたくさん紹介されています。

現実に役立つことを強く意識して1つ1つのワークを開発されてきたんだろうなぁと思いました。

あくなき挑戦と奮励努力結実の1冊です。

皆さんどうぞお手元に。




  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)本の紹介発達障害

新型コロナウィルス感染症のことについて思うこと

2020年05月23日

目下、
新型コロナウィルスによる感染症(COVID-19)が私たちの最重要関心事の一つになっています。
現在、
緊急事態宣言が宮崎県を始め多くの地域で解除され、社会活動(仕事・学校・余暇など)が再開され始めました。

ここで大事なことは、緊急事態宣言が解除されたために、もう感染の心配はなくなったと勘違いしないことでしょう。
感染収束宣言、安全宣言が出されたわけではないからです。

私たち市民の行動自粛によって新規の感染者数が減ってきて、
懸命の医療行為があって、現感染者数は減ってきているようです。
これらは、私たちの辛抱の成果です。
もしここで気を緩め辛抱をやめれば、また爆発的に感染者が増えるだろうことは常に念頭に置いておかねばなりません。

なにより、今でも現感染者数はとても多いことを忘れてはなりません。
だからきっと、今も医療・治療現場のそんなに負担は減ってないはずです。

そもそも、
医療現場には、コロナ感染症以外の病気やケガや治療が必要な人たちの治療やケアがこれまで通りに求められています。
医療現場では、コロナ以外の治療環境も保持しながら、コロナ感染症対策せねばなりません。
いつにも増して負担が増えている状況は続いているはずです。

このようなことから、
私たち市民に求められることは、引き続き自分たちがコロナウィルスに感染しないように、またうっかり感染を広めないように最善を尽くすことでしょう。
気を緩めずに。

そんなことから今回は、
コロナウィルス感染症について私が理解しているところとあわせ、感じたことを記したいと思います。

新型コロナウィルスによる感染症(COVID-19)対策として、
私たちは、いろいろな行動変容を求められています。

基本的感染症対策としての、
丁寧な手洗いと消毒を折々に実施すること。
うがいも。
※これは自分が感染しないように。

それから、
マスクを着用すること。
※これは誰かを感染させないようにの意味合いが強いかしら。ウィルスに感染していても無症状の人が多くいるので、どちらかといえば誰かにウィルスを移さないためにマスクを着用するように思えます。

感染は、
ウィルスが粘膜(主に目鼻や口)に接触することで起きるとか。

どんな風にウィルスと接触することになるかというと、
ウィルスを含んだ咳やくしゃみ、会話や呼吸で生じる飛沫(しぶき)が拡散されて、それに接触してしまうことで感染するようです。
普通に呼吸する際の呼気にもウィルスは含まれているらしいです。
※つばやたんや鼻水や呼気中の湿気の中に、ウィルスが含まれているのでしょう。

どんな風に接触して感染するかというと、主に、
飛沫感染と呼ばれる、ウィルスを含んだ飛沫が直接に口や目鼻(の粘膜)に付着・接触する場合と、
接触感染と呼ばれる、ウィルスを含んだ飛沫が付着した物体に接触したりする場合が
あるようです。

接触感染については、
飛沫が付着しがちな物体としては、ドアノブや電話機、スイッチボタン、遊具、手すり、いろいろな品物などがあり、
それらに触れた手指にウィルスが付着し、その手で口や目鼻(の粘膜)に触れることで感染するという仕組みだそうです。

だから、感染予防のために、
マスクをして、飛沫が飛ばないように、飛沫に接触しないようにすることと、
物体に接触する機会の多い手指をとにかく清潔に保つことが何より重要みたいです。
もちろん物体の消毒も重要ですね。
※マスクをすると手が口や鼻に触れづらくなることから、感染しない効果が期待されていますね。

さらには、
ウィルスは、人の飛沫を通して感染するので、
そもそも人と接触することを減らす。できうる限り。

どうしても今必要であるため(不要不急でない)に、やむを得ず人と接触するにしても、
飛沫が付かない(届かない)ように距離を取る。なるだけ2メートル以上とか。

でも、
これらを実践したら、生活が成り立たなくなってしまった感覚を多くの人が持ったのではないでしょうか。
私もその1人です。
身動きが取れず、なにもできない感覚すら持ちました。
ほんとに、ステイホームするしかない。
生活を守るためにすることが逆に生活をしづらくしてしまった感じがしています。
※そんな状態だったので、血液が足りません! 献血は不要不急の外出じゃありません! の呼びかけに、30年ぶりに献血に行きました。

近年、
人との関わりが昔に比べて減ってきたとよく言われてきましたが、
現下の状況になり、現在でも人と関わる機会は存外とても多かったことに気づくこととなりました。

むしろ、人と関わらずにこの世は成り立たないんだ。
昔の様相とは違ったとしても、人の手が関わっているからこの世が成り立っているんだ。
ということがよく分かりました。

今、これらの経験を踏まえて、
新しい生活様式として、私たちが暮らしていく上で、特に人と関わる際の望ましい行動が新しく提起されました。
厚労省のサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

宮崎県のサイト
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kansensho-taisaku/kenko/hoken/kinkyujitaisengen_covid19.html

この報に接し、私が受けた印象を一言でいうと、

人とは距離を置いて下さい。

です。

きっと、
人と直接関わる際には十分に注意してという意味合いでしょう。
それは配慮だという言い方もできますが、いずれにしても人と関わる際にはこれまでとは違う新しい緊張感が求められることになります。

人と、ある意味密接に関わることを最善としていた、
それを目指していた社会が、変容した印象を私は持ちました。

現在では、外出が徐々に再開されてきていますが、一朝事あるときは「家にいよう」となることが私たちの共通認識です。

このようなことから全体的な意識の変化に心を向けると、

人と関わることはお互いの身の安全を脅かすリスクが高い行動だとして世界的に再定義された感じがします。

多くのこもる人は、
誰かと関わるという社会参加に命の危険を感じるためにこもる。
自分の居場所にステイします。

そんなこもる人への働きかけ、ひきこもり支援の根幹は人と関われるようになることです。
こもる人の望ましい行動としては、人と関わることにつながる行動とされています。
だからとにかく外に出て人とかかわることが勧められてきました。
ときに寄りそいながら、ときに強引に。

それは、
人と関わらないとやっていけない。それが社会の鉄則だから(だったから)です。

ところが、
無条件にそうとも言えなくなってきたようなのです。
世界全体が。

常識は変わる。
望ましい行動も変わる。

世は移り変わる。
無常の理・ことわりを実感しています。

この数ヶ月のうちに、
人と関わることは危険をともなう。
という新しい意識の中で、人と関わり、物体と接触し、暮らしていく世界になったのかもしれません。

こんな急激な変化に振り回されながらも、
健康と安全を取り戻すための、
私たちの必死の努力が報われますように。

  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)社会のこと