「うつ」のイメージは、実情とはちょっと違うかもしれない話

2020年05月27日

「うつ」と呼ばれる精神不調な状態になる人は、実は割と多く、
以前は心の風邪とたとえられるほどでした。
実際は1週間ほどで治る風邪ほど軽い症状ではないので、この喩えはもう廃れてしまいました。

一般的に、「うつ」のイメージと言えば、
元気がなく、
ぼーっとしていて、
横になっていることが多く、
食欲もなく、
な感じでしょうか。

鬱々(うつうつ)としている感じ。

でも実際は、
イライラしたり、怒りやすかったり、
アルコールをガンガン飲んでいたり、
残業や早出や休日出勤するほどバリバリ働いている(風に見える)場合も少なくありません。

うつうつしていて元気がないイメージとはちょっと違う。
むしろ、エネルギーがとても強い感じ。

これも実はうつ状態であることがあります。

「うつ」

実は、
抑うつ状態。
と呼ばれることが医療や心理の世界では一般的です。

ものすごくおおざっぱで砕けた説明をするならば
抑圧がかかって、うっせきが溜まって精神的にアンハッピーな状態でしょうか。
この説明で、そんなに外れてはいないと思います。

やらねばならない! と言う責任がもたらす重圧。
そのために自分の望むまま、自由にできない不満、鬱屈。

理不尽に対する憤懣。
にっちもさっちもいかない状況で気持ちのやり場に困り続けている。

そんな状態だから、
イライラ感がつのり怒りやすくなる。

心穏やかじゃないので、ちょっとしたことが気になり、不安が増す。
不安になること、気に入らないこと、気が滅入ることばかりに意識が向く。

そこで、
アルコールや煙草などの嗜好品をたくさん摂って、
または美味しいものを食べすぎるほどにたくさん摂って、
少しでも心の満足感を得ようとする。
または、
仕事に打ち込むことで、充実感を得ようと休まず働く場合もあるでしょう。

でも、根本的な解決にはならない。アンハッピーな鬱屈した気持ちはずっと続く。

そんなこんなで幸福感からほど遠い生活を強いられるので、
心が元気でない状態になるのは自然の理です。

イライラしている。怒りやすい。働き過ぎ、活動しすぎ、気にしすぎのときは、
実は、
抑うつ状態で、心が安らぐことが不足している状態かもしれません。

抑うつ。
ポイントは「抑」みたいです。
「抑」があるから「うつ」になる。
ただ「うつ」状態であるというよりも「抑」の影響で「うつ」状態になっていることを考慮する。

「抑」
上から抑えつけられている。
上から責められている。怒られている。ダメ出しされている。
そんなイメージ。

私たちは、うつに対するイメージを新しくする必要があるようです。

そして、自分や家族や友人知人がもしそのような状態のような気がしたら、
精神科、心療内科、心理相談、またはかかりつけ医に相談することは役に立つでしょう。


タグ :うつ抑うつ

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