人格適応論とポリヴェーガルと関連付けてみた話

2020年06月28日

TA・交流分析の有名な理論に、人格適応論というのがあります。
他者との交流の中で、自分なりの適応の仕方を身につけ、
それは人格=パーソナリティ=性格としてパターン分けできるという理論です。

そのうち、
幼い頃、生き延びるのに適応した人格として3つ示されています。
1つは、魅力的操作者。自分の欲求を満たすために人と関わることを好みます。
2つは、創造的夢想家。人と関わるより1人でいることを好みます。ひきこもり型と呼ぶ人もいます。
3つは、才気ある懐疑者。明晰な思考にもとづく言動を好みます。都合、批判的になることも少なくありません。人との関わりは1つ目と2つ目を行き来する感じ。

一方、
ポリヴェーガル理論は、命を守る自律神経系の働きを解明した理論です。
大きく3つの場合があるとされています。
(ア)人と関わる働きをする神経が優位な場合と、
(イ)人と関わらない働きをする神経が優位な場合と、
(ウ)人と闘争・逃走する働きをする神経が優位な場合があるとされています。

2つの理論を試みに関連付けてみたら、
1の魅力的操作者は、(ア)の状態になりやすい。
2の創造的夢想家は、(イ)の状態になりやすい。
3の才気ある懐疑者は、(ウ)の状態になりやすい。

のではないかと思ったのでした。

自律神経は、命を守り生き残るために反射的に自分の振る舞いを決定します。
幼い頃の生き延びるための(社会)適応パターンが、それと関連していても不思議ではないように思えたのでした。

参考文献
『交流分析による人格適応論 人間理解のための実践的ガイドブック』
(V・ジョインズ、I・スチュワート 白井幸子・繁田千恵監訳 誠信書房 2007)

『ポリヴェーガル理論入門 心身に変革をおこす「安全」と「絆」』
(S・W・ポージェス 花丘 ちぐさ訳 春秋社 2018)



  


見えないものは無いも同じなのかもしれない話

2020年06月24日

物を捨てられないことはあります。

思い出の品だから。※手紙、写真とか。

いつか使えそうな気がする品だから。※包装紙とか。

捨て方が分からないというか捨てる手間がメンドクサイ品だから。 ※自転車を粗大ゴミで捨てるとか。

このうち、思い出の品について、
ふと思いついたことがあります。

思い出は、品物に宿らせるのではなく、記憶しておけばいいのではないか。
そうして、ときおり思い出せばいいのではないか。

自分の記憶や心に思いが保存されているならば、
品物は手放してもいいのではないか。
だって、品物がなくてもいつでもどこでも思い出せるのだから。

一方で、そんな風に記憶しておくことが難しい場合は、品物に思いを宿らせて、
しかも、身の回りの目に着く所にずらりと置いておかねばならないのではないか。

たといそれで品物が増えすぎて、
足の踏み場に苦労することになったとしても。
食事や寝る所すら苦労することになっても。
衛生状態が悪くなったとしても。

物品の姿形が
直視できるなら、その物品にまつわる思いを巡らしやすく、
記憶という曖昧なイメージのみで、
姿形が具体的に見えないことには、考えが及びづらいのかもしれません。

見えるから、思い出せる。
見えないから、しまいこんでいた物は無い物になってしまう。
捨てられなくて溜め込んでしまっている人の部屋から、
干からびた食品が、数十年行方不明だった入り用なものが、山となった品物の奥から発見されることはありがちです。

目に映ると記憶が呼び起こされる。
そんなことも珍しくないでしょう。
そうそう、あの時、これ買って、ここに置いたんだった。
あぁ、ここにあったんだ。

視覚の刺激が記憶を呼び起こす。
視覚の刺激が無いと記憶が呼び起こされない。

なんべんいっても分からない人、どうにもだらしないと思われている人の中には、
視覚にうったえてないからそうなってしまっているのかもしれません。

そんなことを思ったのでした。


  


トラウマ反応で常に興奮してる話

2020年06月20日

トラウマ反応のうち、日常に影響を与える過覚醒についての体験に基づくざっとした私的解説です。
参考程度にどうぞ。

人は危機に接すると、
身体は危機モードに切り替わります。
身構え・闘争・逃走・フリーズなどのモードがあります。

特に、
ヤバイ!
そんな状況がしょっちゅうだった場合、
身体は、危機モードで暮らすことが通常になっているでしょう。
いつも危機モード。

危機モードは、
そこらじゅうに意識を向け、いち早く危険を察知する状態が基盤です。

見えるもの、聞こえるもの、臭うもの、味わうもの、皮膚で感じるもの、身体の内部で感じるものなどの中に危険の徴候を見つけようと必死な状態です。
この状態を過覚醒状態と呼びます。

だからか、
好みの映画やドラマは戦闘シーンや格闘シーンが多い物。
好きな本も結構強烈な内容。
甘ったるいきれいごとのドキュメンタリーよりも、救いようのない状況の実話を好む。
探していたのはコレだ! 求めていた刺激はコレだ! 的に。
危険いっぱい、アドレナリン出まくりで。

そのような状態なので、過去の記憶も、闘争や、攻撃や、被害などの、緊張場面を思い出しやすくなります。
それは、日常生活に不意に瞬間的に入ってくる形を取ります。
侵入症状またはフラッシュバックと呼ばれています。

また、人や社会や未来に対するイメージもその闘争的な緊張状態を反映したものになり、
攻撃や被害など争いのイメージを抱きやすくなります。

気がつくと、心臓がドキドキしたり、鼻息が荒くなったり、独り言でケンカしていたりしているかもしれません。
過覚醒によるイメージへの没入。
今ここの現実から離れた世界に意識があるので一種の解離状態といえるでしょう。

フリーズ状態の心拍が落ちて呼吸がゆっくりで意識がない解離状態とはちょっと違う解離状態です。

不快な状況をイメージしていて、闘争的なので、
無意識に、不意に、
自分の身体を叩くなどすることがあるかもしれません。
戦闘的な状態だからです。

そうしたら、少しスッキリする。
闘争モードが少しゆるむ。

ストレスなどで疲れがたまっていると危機モードに替わりやすいようです。
つらい現実から逃避する。
危険いっぱいの現実を回避する。
そんな意味合いがあるのかもしれません。

フラッシュバックが多くなったり、空想の世界に没入することが多くなったりしたら、
休息を取るようにすることが、いの一番の対策です。




  


応援なしなので自分本位にやってきた話

2020年06月16日

基本的に親は自分のことを応援しないので、

自分がやりたいことは、自分の勝手にやってきていました。

自分本位で。

目的本位に。

応援があろうがなかろうが、自分が決めたやりたいことはやる。

経験的に、親が自分を応援しないことは明確で固く予測されるのので、
親から応援されるのを待っていたらなにもデキないまま一生を終えてしまうから。

応援はない代わりに邪魔は入ることはあるが、それは織り込み済みでやる。

応援がないから、全部一人でやるのだから、

やれることには限界があるけど、

常識外れなこともあるけど、

じっとしててもいいことはないから、

気合いを入れて見知らぬ世界に飛び込むけど。

やってみただけの価値はあるから。

得るものはあるから。

出会った人に感謝できるから。

やりたいことは一人でもやる。

一人でやる。

そんな思いでした。

だから、他者からの承認欲求はあんまりないんです。
誰からもほめられなくてもやるんです。
自分が決めたことは。

私の個人的な話でした。
  


自分自身を見つめることが苦手なことについての話

2020年06月12日

人のことについては、
あの人はああだこうだといちいち批評したり、
もちっとこうしたらいいと改善点を指摘したり、
ほんとに大丈夫? と心配したり、優しいまなざしでかかわったりするのに、

自分のことについては、まったくよく分からない。

そんな風な人をときどき見かけます。

人の欠点をあげつらったり、侮辱するのじゃなくて、
もっとこうしたらよくなるのに的に改善点を指摘する感じのこの人たちは、

人のケアにばかり心を注いでいるからかもしれません。
そのために、
人の健康や安全ににばかり気を配る習性になったのかも。

または、
見えるものに限り心を配れるからかもしれません。

具体的に目に見えるのならば、
簡単に、すぐに、分析したり、考えたり、提案したり、共感したり、優しい言葉をかけたりできるのに、

そうじゃないと、

ピタッと止まってしまう。
頭まっ白に。

あなたはどうなの?
どんな状態?
どんな風にしてるの?
などの、
「あなたは?」
と自分のことを問われるのががても苦手。

なぜなら、
自分の姿や自分がどう振る舞っているかは直視できないから。

自分を見つめる。
自分を振り返る。
心に手を当てる。
※究極、相手の立場に立って自分を見てみる。

なんてのは、すべて想像上の作業。
抽象的行為で、具体的行為ではありません。

さて、こんな感じで
「直視できることなら対処できる人」は、
「自分のことを棚に上げて、人のことばかりとやかく言う人」
なんて評価を周囲の人から受けているかもしれません。

でも本当は、
少し時間をかけて、自分を振り返る作業をすれば、しっかり自分のことが分かる人がほとんどです。
見えないものに心を配ることが苦手なので、それをやるには相応の頑張りと時間がかかるのでしょう。

とはいえ、
周囲の人の合理的な配慮。
があれば、周囲の人とのいらぬ摩擦は減るようです。