子どもの頃のようにとか自分らしく!とかがマズい話

2021年05月11日

生きづらさを感じている人が生きやすくなるためのアドバイスとして、

自分らしくしてイイ。

子どもの頃を思い出して、

子どもの頃のように。

なんてのがあります。

割と頻繁に、かくも当然に、まったく正しいこととして。

有名講師や、ワークショップや、カウンセリングや、書籍や、ウェブサイト、識者コメントなどでも。
昔からよく見聞きしています。

でもこれ、
条件があるんです。

子どもの頃、伸び伸びやってて、それを周囲・社会が問題を抱えずに受け入れていた場合は、

今、伸び伸びできずに、周囲に合わせてばかりで、自分が問題を抱えて、苦痛にあえいでいるのだから、

子どもの頃を思い出して、

もう一度、子どもの頃のように、

自由気ままにやってみてイイと思うよ。

それが今のあなたに必要なんだよ。

って、アドバイスは事態の改善の役に立つでしょう。

でも、
子どもの頃に、すでにもう、周囲に合わせてばかりで、自分が問題を抱えて、苦痛にあえいでいたとしたら?

子どもの頃に戻ったら、今以上に苦痛を味わうことになります。

この場合は、子どもの頃のようにってアドバイスは逆効果ですね。
結局、あの頃と同じような人生を歩むようになるんだ。
昔からずっと、
そしてこれからも。
なんて絶望の気持ちになりかねません。

こうならないように、支援者は、気をつけねばなりません。

また同様に、
(子どもの頃のように)自分らしくしてイイよ!

というアドバイスについても、

子どもの頃の自分らしいふるまいが、自分や他者を傷つけるものであったなら、望ましくありません。

そのアドバイスは、

かつての自分のフツーの言動が、
当時はとても自分らしい振る舞いだったものが、

実は、自分や他者を傷つけるものであったので、
それをなんとか修正して、フツーの人並みのふるまいを身につけようと必死に頑張っている人の苦悩を、
あまりにも軽んじるものになるでしょう。

支援者は、
少なくともその人の役に立とうと思っているならば、
自分の言葉によってその人の苦痛が増さないように気をつけねばなりませんね。

自分のアドバイスの前提条件を確認することは必要です。



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