1件1件は正しいことだけど、全体をまとめると困ったことになる話。

2019年12月29日

 社会からひきこもっている人たちは、

 おおよそ、

 社会のことを

 悲観的、批判的、否定的に捉え、

 非難し、避難しています。

 もっと希望が持てれば、もっと公正であれば、もっと受容的であれば、

 出て行けるのに。

 なんて思いながら。

 そんな人たちだから、

 社会の悪や、ひどさや、不条理や、危険性や、加害性を
 指摘する情報に触れたら、


 とっても、敏感に反応しがち。

 事故が起きると、何度も何度も被害状況が報じられ、

 事件が起きると、犯罪の様子の再現が繰り返され、

 犯人を糾弾する論調が吹き荒れることが多くなっています。

 テレビやラジオや新聞などの既存のマスメディアの他に

 SNSやブログで。

 もはや国民全員が放送局のように、

 簡単に情報を発信しできるようになっているからですね。

 
 さて、
 ここで気になることがあります。
 
 社会の害になってそうな気になることを、

 社会に知らせ、注意するよう訴えるのは、

 おおよそ社会の役に立ちます。

 例えば、
 あそこの道路に穴が空いている。気をつけよう!

 みたく。

 ところが、

 この情報が、誰も彼もから発信され、メディアにあふれたとしたら、

 受け手はどんな思いになるでしょう?

 特に不安強くこもっている人たちは?

 世界中が穴ぼこだらけのような感覚を持ちそうな気がします。

 これが、もし、

 人に原因がある出来事だとしたら。

 犯人がいたとしたら?

 あそこの学校でいじめがあった。

 あの家で犯罪が起きた。

 それだけで緊張が高まります。

 その上さらに、

 出来事の原因を探り、犯人を探り、

 悪人をあぶり出し、

 正義を果たそうと糾弾する情報の嵐に出会ったら?

 自分が犯人になり、

 自分が悪人になり、

 悪事の原因にされ、

 糾弾される恐怖を味わいそう。

 
 世の中には、合成の誤謬(ごびゅう)と呼ばれる事態が起きることがあるそうです。

 一つ一つの行為は適切で正しいけど、多くの人がそれをやってしまうと、全体として望ましくない結果になることです。

 余分な支出をしないようにと国民全員が一人一人の財布のひもを締めると、国全体の経済がしぼんでしまい、結果として一人一人の暮らしがきつくなる。と言う風に。

 悪を暴き不正を正し、悪事を働いた人を糾弾すること事態は、社会のために役立つのかもしれません。

 でも1件1件(の悪事を正すこと)は正しく適切なことだけど、全体として、誰か(自分が気に入らない人)を糾弾する風潮が蔓延する社会になったとしたら?

 社会全体が、悪を暴き悪人を糾弾するために、鵜の目鷹の目で暮らすようになったとしたら?

 事実として悪を為したか、
 または風評によって悪を為したとされたかのいずれかだとしても、

 悪人認定されたら、その人をとことんまで叩いていい。
 それが許され、正しいとされる世の中になったとしたら?

 およそ、
 ひきこもる人は、社会から害を受けた、優しくされなかったとの思いを持つ人は少なくありません。

 悪人評定されたら誰でもとことんまで糾弾していい風潮は、
 そんな人たちに復讐のチャンスを与えることになるかもしれません。

 正当に人を害していいチャンス。

 相手は悪人認定されているから。

 自分がされたことを仕返す。

 それは正しいこととされている。

 なぜなら、メディアを通して世間が当たり前のようにやっているから。

 こもる人だけの話に限らず、

 この1年、
 世界中の人々の意識が、そんな合成の誤謬状態になりそうでとても心配な日々を送っているのでした。

 
 

タグ :合成の誤謬

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