2018年11月25日

ひきこもりは平成をどう受け止めていたか?

 平成最後の年と言うことで、そこかしこで「平成」を振り返る企画が行われています。

 ご多分に漏れず、ひきこもりについてもこの企画があり、チョビッと関わったのでその作業を通して感じたことを記します。

 平成とは、西暦1989年の1月に始まりました。

 直前に自粛ブームがあり、当時学生だった私は学祭が催されないのじゃないかと学校側に問い合わせたものでした。

 まだバブル景気は続いており、竹藪から1億円が出てきたり、24時間戦えるか? という風に長時間労働がもてはやされたり、バイトの方が正社員より収入がよかったためにフリーターという働き方がはやったり、消費税が導入されたり、ベイブリッジが開通したり、ジュリアナ東京が盛り上がったり、東京新都庁が開庁したり、元気で活動的な話がいっぱいでした。

 一方で、少年少女が関係する残虐な事件が次々にニュースに出て来るようになりました。

 海外では、民主化運動を戦車で押しとどめたシーンで有名な天安門事件が起き、中東で起きた湾岸戦争に自衛隊が派遣されました。

 やがて、バブル景気が崩壊し、不良債権が重くのしかかった日本経済は下降の一途をたどります。

 失われた20年の始まりです。※30年という人もいるとか

 それは就職氷河期の始まりを意味します。
 バブルの頃は、新卒予定の学生が会社説明会に応募した会社から毎月接待してもらってたほど売り手市場だったので、本当に雲泥の差です。

 ロイヤルウェディングのような明るい話題もありました。

 女性の社会進出にともない政界も激変し、日本の政治が大きく変わり出したころ、

 冷夏・飢饉で米がなくなり、外国から米を輸入する事態も起こりました。
 私もタイ米の炊き方に苦労した覚えがあります。

 サッカー日本代表がドーハの悲劇を経験した頃、
 イジメで命を落とす少年少女が連日ニュースで取り上げられました。

 この頃宮崎はシーガイアが営業を始めました。

 阪神淡路大震災が起こり、オウムはテロを起こし、PCはWindows95が発売され、ちびTやポケベルがブーになった頃、
 女子高生ブームが起こり、その裏には、子どもで金を稼ぐ大人がいました。

 そのうち、
 薬害エイズ問題が明らかになり、O-157が広まり、
 金融破綻、金融業界再編となり、自分の財産を安心して預けるところがなくなる不安が日本全土を覆いました。

 日本がサッカーワールドカップに初出場したり、長野で冬季オリンピックがあったりと、にぎやかな反面、
 
 ストーカー犯罪が目立つようになり、
 食品事故や事件、医療ミスが連日報道され、
 コンピューターが使えなくなるというY2K問題が世界中をざわめかせ、
 少年が関わる残虐犯罪のニュースは増え続けるばかりでした。
 自殺者が年間3万人を超えだしたのもこの頃です。

 2001年には、アメリカの潜水艦が日本の高校の船に衝突する事故が起きました。
 同じ年、アルカイダによるアメリカでの航空機テロが起きました。

 日本では、犯罪により弱い立場の人が被害に遭う事件が多発しました。

 また、
 重症呼吸器症やノロウィルスや人や鳥のインフルエンザなどの感染症が流行し、パニックとなりました。

 この時、こもっているのならば感染リスクが低いので、外に出ないようにしようと思ったのを覚えています。

 サッカーワールドカップ日韓共催、北朝鮮拉致被害者帰国など喜ばしい出来事もある反面、

 この頃から、雇用・就労の問題が重大事項となりました。
 若者が引き起こした重大事件も雇用の問題の影響が大きくありました。
 派遣社員は、一方的にくびきりに遭い、住む場所すら失う事態となりました。
 宮崎では、バブルの負の遺産であるシーガイアが倒産しました。
 台風により浄水場が被害を受け、断水生活が続いたこともあります。

 しばらくすると、
 東日本全域を大地震が襲います。

 宮崎では、直前に口蹄疫が起こり多くの人が悲嘆に暮れましたが、続けて鳥インフルエンザと新燃岳の噴火が起きました。
 立て続けに災難が降りかかってきたのでした。
 その後も、緊張は続いています。

 最近では、熊本や大分で大地震が起き、その影響を受けました。

 さて、こうして、
 社会で何が話題になっていたかという視点で、ほんとに大ざっぱに平成の30年を振り返ってみましたら、

 おおよそどんな気持ちで過ごしてきたかが分かってきました。

 不信と不安です。

 偽装や虚偽記載、不祥事など、嘘がまかり通っていた社会が明らかになりました。
 誰も(会社も国も医師も銀行も教師も)何も信用できない思いです。

 感染症や自然災害の頻発は、誰しもがいつ何時受傷するか分からない時代であることを痛感しました。
 逃げ場がない気持ちです。

 感染は逃れたとしても、健康不安をあおるネタばかりのテレビや雑誌などのマスメディア。
 関節はすり減り、生活習慣病が忍びより、がんになる率も上がっている。
 そのままの生活をしているだけでもじょじょに健康が蝕まれている感じになってきます。

 国内国外では、犯罪や戦争ばかり。
 世の中全体が常に危険であると思えます。

 全般的に安全が脅かされた30年のようでした。

 地平らに天成る。
 が由来の平成ですが、元号に込められたその願いは残念ながら叶わなかったようです。

 こもる世界の住人は、
 こんな物騒な世界で暮らしていく自信はありません。

 こう考えると、
 平成というのは、こもらない理由が見つかりづらい時代だったようです。

 ところがそれは平成では、
 全部自己責任として片付けられます。

 社会でやっていく理由を見つけることができなかったり、
 社会でやっていく力がないのは自分の努力不足。

 社会でやっていかないと決めた責任はその人にある。
 だから社会には責任がない。

 何かやる気になったらサポートはする。
 やる気がないならなにもサポートしない。

 それが社会の基本姿勢であった平成の30年。

 ざっと振り返ってみても、
 これほどまでに多くの困難が起きた平成は、個人に思いを向ける余裕が不足していたようです。
 国や世間は自分たちが生き残ることだけで手一杯。
 国や世間の活動から距離を置いて生きている人たちまで思いをやる余裕はない。

 個人や、個人の集合である社会全体が、
 不信で不安で、
 心と身の安全が脅かされていた。

 そんな時代だったのかもしれません。

 来年2019年の春。平成は終わりを迎えます。



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