アルコール依存症と肝臓の話

2018年02月15日

 アルコール依存症は飲酒のコントロールができない病と呼ばれています。

 これから車の運転をするなど飲酒してはならない時にも飲んだり、

 飲酒しだしたら途中で止められなくなったり、

 飲酒による身体への害や、約束が守れなくなるなどの人間関係への害や、
 仕事に遅れる、仕事する能力が落ちる、このままだと仕事を失うなどの害があると分かっているのに、
 飲んでしまったりと

 飲酒の欲求と上手くつきあえない病なのです。

 なぜ飲酒がコントロールできなくなるのかといえば、おおよその仕組みが分かっています。

 自分の欲求を抑え込み、文句も言わず辛抱強く自分に課せられた役目を果たし、

 不満をためたまま吐き出さず、じっと独りで耐え忍ぶ。

 そうして、ひたすら誰かのために何かのために役目を務める日々を送る。

 そんなストレス過多な生活の中で唯一の慰めが飲酒なのです。

 アルコールには血管を広げるなどリラックス作用があります。

 脳機能を麻痺させる作用も。
 
 日々の重責から解放される唯一の道具がアルコールなのです。

 ある意味、自分をいやす薬として摂取しているのですね。

 薬として常用しているうちに、アルコール耐性がついて、飲んでも効いていない感じになってきます。

 そこで、量を飲むようになります。

 そして、
 いつの間にか、体内にアルコールがある状態が通常になっている。

 アルコールがない状態が異常な状態。
 だから、アルコールを欲する。

 たとい飲む気はないとしても。

 こんな風に、進行していきます。

 さて、アルコール依存症を患う人の生き様ととても似た臓器が私たちの腹の中にあります。

 沈黙の臓器・肝臓です。

 栄養分を作りだしたり、大量の薬物、毒物を分解したりして、その人が活動するために、健康であるために、

 昼夜を問わずひたすら働いている臓器です。

 胃腸のように頻繁に痛みをうったえることもせず、

 過重労働で炎症を起こしているにもかかわらず、

 その苦痛は健康診断で数字として現れるのみ。

 沈黙を貫いて仕事をする。

 臓器の主であるアルコール依存症者と同じような働きぶり。生き様です。

 人が気づかないこと。無視していることを。臓器が知らせているのかもしれません。

 病というのは、その人の生き方に符合する部位に発現するような気がしています。


タグ :生き様

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