精神疾患の親に育てられた子どもたちのこと

2017年07月05日

 NHKの番組ハートネットTV で、精神疾患の親を持つ子どもをテーマにした番組があったので視聴したのでした。

 番組URLはこちら→http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/hntv/267884.html

 今回は、子どもの立場に力点を置いた番組作りだったとか。
 親の立場に力点を置いた番組はきっと後日あるでしょう。

 さて、この番組を観て考えたのは、

 親の顔色をうかがわないと生きていけない子どもたちがいるということ。

 そうして大人になった人たちがいるということ。

 人知れず。

 一番身近な大人が、気分の波が激しく、

 だから家庭は緊張感が高く、安らぎの時間が十分でないこと。

 何が起きるか予想がつかないことが多く、

 自分の身の危険を常に感じながら暮らしているのが常となっていること。

 そんな状況で生き残るために、少しでも心の平安を得るために、

 親の状態、

 家庭の状態、

 周囲大人のひそひそ話を、

 観察し、聞き耳を立て、適切な行動をとらねばならないこと。

 もし、それに失敗すれば、

 今より悪い状況が到来すること。

 それは、自分の責任であること。

 だから、命がけで、

 親の顔色(健康状態の意味も込めて)、行動、雰囲気は良好か? 不良か?

 家の状態・・・ものは壊れていないか、なくし物はないか、増えているものはないか?

 人員が揃っているか、不明になっていないか?

 闘うか、逃げ出すか?

 人に助けを求めてイイか? 
 
 このことを口にしてイイか? イケないか?

 そうして安全か? もっと悪いことにならないか?

 しっかり考えたか? 十分に考えたか?

 と毎瞬毎瞬観察と思考と行動をしているのでしょう。

 そうして、密やかな安全を確保する。

 自分の精神的健康とひきかえに。

 不信感、猜疑心、用心深さ、人当たりのよさ、なじめなさ、心を開かないこと、親密がわからないこと、

 感情がわからないこと、自分の意見を口にすることができないこと、将来設計ができないこと・・・。

 そんな困難をかかえた大人になることとひきかえに。
 


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この記事へのコメント
korituさん コメントありがとうございます。
緊張感いっぱいの生き方を余儀なくされたのでしょうね。
気が安らぐ時間が少しでも長くなることを願っています。
暑くなってきました。どうぞご自愛ください。
Posted by 聞風坊聞風坊 at 2017年07月08日 06:40
暑中お見舞い申し上げます。

本記事を見て自分と重なり泣けてくるような思いが湧いてきます。

哀感に漂う無力な情けなさ
自覚こもごも

ありがとうございます。
Posted by koritu at 2017年07月06日 07:43
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    コメント(2)