最近の若者のこと。内閣府調査から5

2017年01月15日

若者の生活に関する調査報告書 (PDF版)
平成28年9月 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/h27/pdf-index.html

を読んでの解釈記事です。

Q34-6 新聞の政治経済面に目を通す割合は、一般群よりひきこもり群が多くなっています。

Q34-7 自分の周辺には理不尽なことが多いと思う割合は、親和群が突出して多くなっています。

Q34-9 人と会話するのがわずらわしいと思う割合は、ひきこもり群が44.9%、親和群が42.7%、一般群が12.7%となっています。
 ひきこもり群と親和群は、人と会話すること自体をわずらわしいと思っているようです。
 うつ状態だと人と関わることがわずらわしくなるので、気がかりな点です。

Q34-10 過去の知り合いや縁者に信頼できる人はいないと答えた割合は、ひきこもり群が30.6%、親和群が23.3%、一般群が7.6%です。
 ひきこもり群や親和群の3割、2割が、これまでに、近親者に信頼を寄せていないことが分かります。
 一方で、信頼できる人がいないことはない(≒信頼できる人はいる)と答えた人が、ひきこもり群は67.4%、親和群は76.0%、一般群は92.0%となっています。少しほっとします。

Q34-11 自分の精神状態は健康ではないと思う割合は、ひきこもり群が40.8%、親和群が50.0%、一般群が14.1%です。
 ひきこもり群や親和群の多くが、自分の精神状態の悪さを自覚しています。

Q35 ひきこもり群は家族関係は全般的に良好ではないようです。家族から十分に愛されていると思うと答えた割合は、ひきこもり群が38.8%、親和群が64.7%、一般群が64.8%です。

Q36 悩みを誰かに相談したいと思わない割合は、ひきこもり群が38.8%、親和群が24.7%、一般群が17.8%です。
Q37 普段誰にも相談しない割合は、ひきこもり群が30.6%、親和群が26.0%、一般群が11.6%です。
 ひきこもり群は、誰かを頼りにしない傾向が高いことが分かります。
 そして、一般群も1~2割が相談しないようです。

 若者全体が、他者に手助けを求めなくなっているのかもしれません。


 全体を通しての印象は、

 幼少期から問題が起きていて、それが十分に解決しないまま、歳を重ね、いよいよどうしようもなくなって、ひきこもり、そのまま手立てなく時が過ぎて行っているということです。

 この調査は、若年層の実態を、ひきこもりをテーマに切り取ったもので、直接的なひきこもり調査ではありませんが、

 それが逆に、ひきこもりにつながる根深い問題を、若年層が抱えていることが浮き彫りになったように思えます。

 ひきこもりの今一番のテーマは長期高齢化だと言われています。

 今回の調査から、
 その問題の萌芽は、まだこもっていない若年者の中にあることが分かったようです。
 
 それは、若年者をいかにサポートするか?

 の重要性を示唆しているでしょう。

 この項終わり。



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Posted by 聞風坊 at 06:00│Comments(0)社会のこと
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