続・生活保護とひきこもりと 

2016年12月16日

 ひきこもり支援において、

 ひきこもる行動を助長する関わりは避けようとされています。

 その代わりに、

 家から出る。※そして家に帰ってくる

 他者と関わる。

 とにかくナンカする。

 明るい気分になる。

 ように関わることが基本となっています。

 そして、それらをこもる本人自らできるようになることを支援します。

 それは、
 こもる人が、自分のために何かをするよう働きかける支援でもあります。

 そのために、
 外部の世界に興味を持つよう、情報を提供します。
 
 好みそうなイベントに誘います。

 欲しいものがあれば、自ら買いに行くことができるように関わります。

 寄り添いながら、外界に招待する感じで、

 ゆっくり、丁寧に、数をかけて、
 ひきこもってる生活もいいけど、外に出る生活でも大丈夫だよ。
 という思いで関わります。

 さて、ひきこもり界は、親亡き後がテーマの一つです。
親が子どもの面倒をみられなくなった後をどうするかです。

 候補に挙がるのが社会保障制度。
 セーフティネットである生活保護です。

 各種扶助により、住居も水道高熱費も食費も医療費も賄ってもらえます。

 家族としては経済的な支えができるので一安心です。
 文字通り国が我が子を保護してくれるからです。

 問題は、寄り添いながら、外界に招待する感じで、ゆっくり、丁寧に、数をかけて
 今の生活もいいけど、外と関わっても大丈夫だよという風に優しく関わってくれる人がほとんどいないことです。

 働くよう厳しく指導があります。
 外に出るよう強く求められます。
 医療を受けるよう矢の催促があります。

 つまり厳しい対応が繰り返されるのです。

 さて、ひきこもり状態は、
 外圧と、外圧を回避しつづけても暮らしていける環境。
 の2つがそろうと成り立ちます。

 生活保護状態は、
 激しい社会からの圧力と、
 その圧力を回避してこもっていられる環境がそろっていることになります。

 こうなると、
 ひきこもり生活が以前にも増してしっかり維持されるようになります。

 生活保護を受けたこもる人は、いよいよこもる力を増して、外界と関わらなくなる。

 そんな懸念を持っています。



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