トラウマケアの一番大事なところ

2016年03月24日

 トラウマケアで、必ずと言っていいほど話題に上るのが、

Window of  Tolerance です。

 耐性の窓とか、耐性領域とか呼ばれます。

 人は、うれしいことや悲しいことなど、いい意味でも悪い意味でもショックな出来事に出会ったとして、
 興奮したり、幻滅したりしても、自分を見失わない程度によろしく反応できます。
 そんな状態のとき、この範囲にいると考えます。

 安全な環境にいる多くの人は、通常この範囲内にいます。
 この範囲にいる時は、激情にかられることもなく、絶望的に脱力することもありません。
 
 ところが、
 トラウマを負っている場合や心理的にストレスがかかっている場合などで刺激に敏感になっている時、
 この範囲に留まることはとても難しくなります。

 トラウマを負っている場合や心理的にストレスがかかっている場合などでは、
 音や匂いや特定の話題や目に入った映像など、少しの刺激で、急激に興奮したり、急速に力尽きたりします。
この時、人は耐性の窓から出ています。

 そのために、考えることができなかったり、言葉を発せられなかったり、体が震えていたり、攻撃的になったり、身動き取れなくなったりしているかもしれません。

 フラッシュバックなどと呼ばれる現象ですが、あたかも過去の過酷な体験の中に瞬間移動しているかのようです。

 トラウマケアでは、過去の出来事の中に迷い込むこういう状態にならないようにすること、またはそこからほどなく今ここに戻ってこれるようになることが一つの目標です。

 音や匂いや特定の話題や目に入った映像などの刺激があっても、耐性の窓の中にいられるようにする。
 もし窓の外に出たとしても戻って来られるようになる。

 そうして、トラウマに振り回されない日常を送れるようになるのですね。

 耐性の窓の考え方は、一般的なカウンセリングやセラピーにおいても、重要な視点だなと思うのでした。

 心理療法は、
 窓を広げる作業。
そんなイメージがしています。



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