当事者は誤解されている 2

2015年12月18日

 前記事の続きです。

 当事者の語りは、聞き手が聞きたいことを中心に語るので、
 聞き手が作り上げた当事者像、つまり虚像が市民権を得るのでした。

 もし、

 親のように、聞き手が飲食の問題に関心がある場合、
 どんなものを飲んだか、ちゃんと食事をとっているかについて語ることになります。
 そうすると、当事者についてのイメージは、飲食の問題を中心に形作られます。

 「あん子は、ピーマンを食べん子じゃ。さっき聞いたらまた今日も残したって言いよったわ」
 「好き嫌いはいかんねぇ。だ、オレが好き嫌いせんごつ言っちょくわ」

 非行指導者のように、聞き手が暴力に関心がある場合、
 どんな時にキレるか、そして社会的に許されない行為を中心とした話をするでしょう。
  当事者のイメージは、非行不良行為をする人として形作られます。

 「また、やったげな。ま、アイツならやりかねん」
 「じゃわ、そういやこん前もやりよったわ。まこち、あんガンタレが!
 
 ジャーナリストのように、聞き手が社会問題に関心がある場合、
 どんな風に社会から害を被ったのか、または社会に害を加えたのかを語るでしょう。
 当事者のイメージは、被害者か加害者かのどちらかに単純に割り振られ形作られるかもしれません。

 「なんの罪もないのにこんなにひどい目に遭ったかわいそうな人」
 「社会が悪いからこんな目に遭った被害者」
 「この人があんなことをしたのは社会の不寛容のせいだ。加害者と言うより被害者だ」

もし聞き手が、
 教師のように学力に関心がある場合、

 就労支援者のように就労に関心がある場合

 カウンセラーのように心理に関心がある場合、
 
でも同様でしょう。

この記事続く。

 参考書籍
『関わることを考えよう ボクたちはこうしてほしいんだ。』(拙著)
当事者は誤解されている 2



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