支援を押しつけないように

2015年03月26日

 現在は、当事者と言うよりほぼ支援者になっている私聞風坊ですが、

 支援者の中にいて、ときどき、あれれぇキョロキョロ と思うことに出くわします。

 一言でいうと、押しの強い支援です。

 こもる人、不登校の人、ニートの人など、支援を受ける側の人に対して、
その人がすべきことを押しつける感じで支援策を提示する支援です。

久しぶりに、なんのこっちゃ? ですか

 具体的に言うと、その場合、支援者は下のような言葉を口にしています。

じゃ、こうしたら!
えぇそうね。したら、あぁしたら!
じゃがじゃが。だからせんね!
やっぱい、したがいいが!
ほら、できるが!

ほらやれダッシュ、そらやれダッシュ2 と、
自分が考えた方法を支援を受ける人にやらせようと、
 有無を言わさず矢継ぎ早にせき立てる感じ。

 こんな場面に出くわすと、私はつい、その支援者に対して
「それやらんとダメ?」
 と質問してしまいます。

 そして、
私からこう問われると、たいがいの支援者は言葉につまってしまいます。
 こんな感じ→ しょんぼり

 多分、自分が示した最善の方法をやらない支援を受ける人はダメだと思っていたからでしょう。
そんな自分にハタと気づいて、息を呑んでいるのでしょう。

 支援を受ける困っている人、非力な人、社会から排除されている人を救おうと、
一生懸命に、熱心に、我を忘れて相手を説得しているのは、
 実は、今の状態の相手を認めていないからです。
それは、自分が望んでいるような状態の相手ではないからでしょう。

あなたは、もっと頑張れるはず。アビリティは高いはず。

君は、もっと楽に生きていいはず、なのに君はその努力を怠っている。

私ならこの人にゴキゲンなサービスを提供できる。それを受け取らないなんて許せない。

この人のこの状況を救えたときだけ私はOKだ。だから私がこのまま救えないなんて考えられない。いや考えるのはおぞましい。

 無意識にこんな思いがあるのかもしれません。

 相手の状況に触れた支援者である私自身が苦しいから、
あんた私が望むように変わってよ!!! 
じゃないとあたしがタマランわぁ。大泣き と必死に説得しているのでしょう。

押しの強い支援、それは侵襲的です。
平たく言うとそれは、相手の意向を無視した暴力的な支援と言うことです。

 暴力を受けた相手は、暴力に反発するか隷属するかの二択になりがち。

「まるで私、暴力を受けているようだから、今のように強く勧めるのは止めてもらえないでしょうか。
私のためにしてくれたあなたの提案については、じっくり考えて返事をしたいと思っています。いずれにしてもありがとう」
 なんて、落ち着いて返事することは滅多にありません。

 反発か隷属か?

 支援を受ける人が反発したら、そこで支援は終わり。

 もし、隷属しても支援策が奏功しなかったら、それでも支援は終わり。
 そして支援者は暴力的だという記憶だけが残り、今後に悪影響を及ぼすのは必定。二度と支援者を、否、社会をアテにしないかも。

 仮に、押しつけられた支援策でいい目を見たとして、それは暴力を受けた結果オーライだったと言うこと。
 これを許すことは、倫理的に問題があるでしょう。それでもこれをよしといしている場合は残念ながら多くあります。

 そしてこのとき、だいたいにおいて「相手がいいって言うんだもん」
 という相手が首を縦に振った、すくなくとも横に振らなかったという、受益者の自己責任という伝家の宝刀がきらめきます。

 いやしくも支援の場にあって、こんなことを繰り返していていいのでしょうか?
いいわけありません。
 少しでも減らす方がいいに決まっています。

 だから支援者は、自分の言動が相手を侵し襲っていないか常にチェックする必要があります。

 このとき私がよく使うのは、
「私、あの人にどうなって欲しい?」
「私は、あの人がこのままだと許せない?」
「このままのあの人じゃダメ?」
 という自問フレーズ。

 これにより、
自分があの人・支援を受ける人に持っているイメージをしっかり把握した上で対話する。
 その素地ができるように思えています。
 


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