Webひきこもり家族教室8 母親編

2015年03月13日

 前記事は父親編と題してましたので、今回は母親編。
※実際は母親に限ったことではないのですが、こうすると目にとまるでしょ。たこ

 題して、私の気持ちを分かってよじゃ困るのよ。

 相談機関や、講演、ものの本などで、
親子のミュニケーションが重要です。
   まずは声かけからです。
 親の気持ちをきちんと伝えましょう。
などということをよく見聞きします。

 その通りなのですが、
問題はこの内容なのです。

 親子のコミュニケーションが、
もっぱら親の私の思いばかりを伝えるものだったら、
声かけが、依頼やお願いや要求ばかりだったら、
親の気持ちを伝えるばかりだったら、

 受け手は、
あんたの思いばかり。
求めてばかり。
あんたの気持ちだけ。
 となり、

 都合、
受け手の私の思いや求めや気持ちはほとんど重視していないよ。

 ということを年がら年中伝えまくっていることになります。

 これでは、信頼関係が生まれるはずはありません。
親のことを大事にする気持にはなりません。

 だって、
あんたのこと重要じゃないよ、大事なのは私なのよ。ちっ、ちっ、ちっ
 と、いつもいつもはっきり宣言されてるんだもの。
そんな相手に親愛の情がわくいわれがありません。

 むしろ、
プイとその場を去ったり、
ひきこもったり、

 そうして、
そんなに親を苦しめている自分を責めたり、大泣き

 または
自分をイジメ続ける加害者として、親を攻撃したりすることが多いかもしれません。パーンチ

 と、こういう反応を子どもがすると、
私の気持ちが分かってない。
伝わってないからだ。
 として、自分の気持ちを伝えようとよりいっそう奮迅努力するかもしれません。

 そうなると、どうなるか? 簡単に分かります。
悪循環ですね。

 大事なのは、相手の気持ち、つまり子どもの気持ちなのです。
今まで大勢のこもる人たちと対話してきましたが、ほとんどの人が親の価値観をしっかり自分の基底にすえています。
学校に行くことは大事なこと。
他人を大切にすることは当たり前。
自分でお金を稼ぐことが常識。
健康でいることは重要なこと。
長時間ゲームするのは身体に悪いこと。
親のすねをかじるのはそろそろやめた方がいいこと。

 だから、親の思いや気持ちが分かってないことはないのです。痛いほどに分かっているのです。
なのに、否、だからこそでしょうか、
 それに応えられない自分や、
 それとは違う自分の生き方ができない自分
を責めて、苦悩しているのです。

 こもる人たちは、その辛さ、努力、頑張り、情けなさ、さびしさなどを
親に分かってもらうことがなにより不足しています。

 自分の気持ちばかりを伝えようと躍起になる親は、このことに気づけません。
私を分かってもらうことに必死になるより、子どもを分かることに意識を向けた方が役立つでしょう。

 とはいえ、さすがに親です。
子どもの気持ちのおおよそは分かっています。
 あんこは昔から一人で頑張り屋だった。
とはよく聞く一言です。

 そう分かっているのです。
ただし、その分かっていることを十分に伝えていません。
伝えたとしても、そのあとがイケません。
 「お前の辛さはよく分かるよ、でもね、このままこうしていちゃイケないよ、お母さんお前のことがとっても心配だ」
叫び あぁ~、結局自分の気持ちだぁ。

 そんな時は、最初の一文で終わってみましょう。
「お前の辛さはよく分かる」「そうか、そうだろうねぇ」

 やりづらい会話は短く終わらせるのがコツです。
照れくさい会話も同様。

 なんべんいってんきかんちっ、ちっ、ちっ
と日頃思ってさじを投げている人は、お試しあれ。


参考書籍 拙著
『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』(鉱脈社)
『「親」を育てる「ひきこもり」』(私家版)


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