アルコール依存症の家族について2

2014年11月14日

 アルコール依存症の家族についての続きです。
 前日記は、アルコールを適度に飲ませようと飲酒者をコントロールしようとしても、叶わぬことだという話でした。
むしろそれが引き金となって飲酒が進むのでした。

 今日は、逆に飲酒を勧める場合の話から始めます。

 酒が切れると暴力的になるような場合、むしろ飲酒を勧める心理が働くのは自然なことです。
 おとなしく呑んでもらうために、そして比較的安定した家庭の状態を確保するために、酒を常備している場合は少なくないでしょう。

 酒を呑ませておけば静かだから。
暴れられるよりは、しょのんでいる方がまだまし。

 アルコールを適度に呑ませようと働きかけること。
 または安全を確保するために、アルコールを提供すること。
これらは、飲酒を支持する行為です。

 英語では、○○を可能にさせるという意味のイネイブenableを使い、
これら飲酒を可能にさせている人を、イネイブラーenablerと呼んでいます。
 日本語では、支え手などという訳が当てられています。

 また、飲酒者と共同で依存症という病気を作り上げている。
依存症を維持しているという意味で、
co-dependent
という言い方もあります。
 共同依存症者という意味になるでしょうか。

 以前キムタクのパイロットドラマで、コーパイという言葉が流行りましたが、
この「コ」と一緒です。
 副とか順とか共同という意味ですね。

 日本語では共依存症者、
または単に、
 共依存と言われています。

 さて、実は、先述の後片付けもこの共同作業の一つなのです。
だって、自分の後始末は誰かがやってくれるのだから、後先考えず安心して酒を飲むことができるからですね。

 例えば、
終電に乗って帰らねばならないとしたら、終電に間に合うように自制して呑むでしょう。
 でも、
仮に乗り過ごしても家族が車で迎えにきてくれるとしたら?
誰かが、面倒みてくれるとしたら?

二日酔いで仕事を休む電話を家族が入れてくれたり、
飲み屋のツケを家族が払ったり、
謝罪を家族がしてくれたり、

 と、嫌な役目は家族が担ってくれるならば、
自分は酒を呑む役目、迷惑をかける役目を実行し続けると思っても不思議ではありません。

 家族が、
飲酒を可能にしている。
共同で依存症を形作っている。

 それに気づくことは大事です。
そうして、飲酒に関わる問題には関わらない。という強い意志も重要。
 これ、タフラブって言われています。

 大切な家族のために、
あえてタフな行動をとる。
 そういう意味ですね。

 そうして精神科・保健所などの専門家に相談し、
家族みんなが健康な生活を送るための行動をとるのです。

 一緒に共同で健康になっていくのですね。

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