名前なしが自助グループの核でした。

2014年09月12日

 私が参加していた伝統的な自助グループでは、匿名性(名前なし)をとっても重視していました。
今日はそのお話です。

 名前というのは、社会的な意味を持っています。

 名字・名前からは、誰それ家のなになにさん。
が分かります。
 そしてそれは、その人が生きてきた歴史を含んでいます。
 誰それ家のなになにさん。は、何々地区に生まれ、何々小学校で、何々さんと友達で、何々先生に学び、などなど。
 私たちは名前を通して、その人個人を、社会との関わりの中で捉えます。

 また、
 肩書きというのは、社会的な地位を意味します。

○○会社社長、○○学校教師、主婦、無職、○○農家、○○会社社員
 私たちは肩書きを通して、その人の社会的役目、社会的地位を予想します。

 さて、
 自助グループというのは、素の自分でいる場です。
素の自分を受け容れ、
 そこから改善点を見出し、
   改善法を手にし、
 日常で実践していき、

 そうして、
自分をよくしていく運動です。

 この時、
 自分の実の名前、実の肩書きなどを表明すると、
その名前や肩書きを背負ってグループに望むことになります。

 それは素の自分を見直す作業の邪魔になります。

 そこで、名前や肩書きなど、社会の中の私を説明する言葉を排するのです。
素の自分でいる。
 ここに、匿名性・アノニマスの重要性があります。

 また、実名を名乗ることは、
 誰それ家のなになにさん。がアルコール依存症・薬物依存症だということを開示することにもなります。
 それは、
 ○○会社の社員は、アルコール依存症げな! あそこ多いげなよ。
というゴシップを提供することにもなりかねません。自助グループメンバーの私たちは未熟だからついうっかりうわさ話してしまうのですね。
 匿名重視は、こういうことの予防という意味もあります。

 このようなことから、グループでは一般的に、グループ内でのみ通用する名前を使用します。
アノニマスネームなどと呼ばれます。
 こうして、自助活動に集中する条件を整えるのですね。

 私は、ひきこもり当事者として公の場でお話しをする機会を多く頂きます。
その時に使うのが聞風坊。

 匿名性の原則に則ってこう名乗っていますが、
 私自身の名を伏せるという目的と同じ程度に、家族のプライバシーを守るためという意味合いがあります。

 あんたんとこの息子さんな、ひきこもりやったっちゃねぇ。
いかんこつばっかいやったねぇ。
 などとと言われないようにとの配慮ですね。

 当事者活動が誰か特定の個人を責める活動になってはならないと思っています。
 私聞風坊の語りが、私の家族の生活を脅かしてはなりません。
 自分がされて嫌だったことを人にしてはいけません。

 そんなこんな思いを胸に、正直読みづらい聞風坊(もんぷうぼう)という名前でやってます。ニコニコ

 名前なし。匿名性のお話しでした。



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