せんでもいっちゃがは、するなではありません

2014年06月30日

 TA・交流分析には、許可命令という考え方があります。

 私たちは、
子どもの頃、親などから、そうするな! そうであるな! などの命令を受けて、
 それを
こうしちゃいけない! こうあっちゃいけない! として、
 自分に対する自分からの命令に変換して、大人になってもその命令に従っている。

 私たちが生きていく上での多くの苦悩は、その命令の影響が大きい。

 だから、その命令に従わなくていいよと許可をする。
すると、命令の支配から抜け出し自由になる。
 というような考えです。

 例えば、はしゃいだり、落ち込んだりと、自然な感情をあらわにしたときに、
いつもいつもたしなめられたら、
 その環境でより安全に生き延びるために、

 幼稚なことをするな!

 という命令を自分に下し、
幼い子どものように、はしゃいだり、自分の自然な感情を表出しなくして、
 その代わり、大人のように落ち着いて、感情を抑えた振る舞いをするようになるかもしれません。

 そして、実際に大人になると、
自分の素直な気持ちが分からなくなって、困ることが起きるかもしれません。

 これに対して、
幼稚であってもいいんだよ。

 と許可を出したとします。

 自分を苦しめる厳しい命令に従わなくていいよ。
という意図ですね。

 本来なら、これで楽になるはずですが、
ときどき、この許可が命令として受け取られることがあります。

 幼稚なことをするな! という命令に従うな!

新しい命令です。

 あっちを聞けばこっちに反する2つの命令。
どちらの命令も聞かねばならなくなって、さあ大変な状況です。叫び

 こんなことから、禁止する命令については、とても慎重に扱います。


 さて、
世の中には、人の気持ちを楽にする肯定的な意味合いを持つアドバイスがたくさんあります。

焦らないでいい。

他人と比べないでいい。

自分らしくしていい。

気持ちを吐き出していいよ。

 カウンセラーや支援職の人はつい気軽に口にするかもしれません。
しかしながら、
 これら許可を意味する言葉たちが、命令となって受け取られる可能性を考慮せねばなりません。

なにがあっても

焦るな!

他人と比べるな!

自分らしくせよ!

気持ちを吐き出せ!

 このように。

 相手が楽になるようにと思って発した言葉が、逆に相手を追い詰めることがあるのですね。

 だから支援職は、
許可命令とならないように極めて慎重にアドバイスする必要があると思うのでした。
 


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