モテたい! のは主訴じゃないかも

2013年06月28日

 カウンセリングなどの、相談の仕事では、主訴というのが重視されます。

主訴とは、その人が主に言葉にして訴えている点。
 という意味です。

 子どもの不登校で相談があります。
   親戚の子がひきこもりみたいでどうしたらいいか。
      スマホの使い方が分からなくて。
と相談があった場合、

 それぞれ
不登校、ひきこもり、使い方、が言葉にされた主な訴えとなります。

この訴えにもとづいて、相談が始まるのですが、

 忘れてならないことは、言葉になっていない訴えもあるということ。
むしろ、この訴えの方が多く、深く、そして問題の核心に近いことが多いものです。

 これについて、
モテたい! と訴えてきた場合を考えてみましょう。

この時、主訴は、モテたい! ですね。

 これを受けて、
 どうしたらモテるかを考えたり、
   カッコイイ笑顔してるから、そのうちモテますよ。
と気にしないことをアドバイスしたり、
 モテたい! という主訴に集中していろいろ考える方法が一つあります。

 一方、
なぜモテたいのか?
   言葉に表れた訴えの奥にある思いはなにか?
 に思いをやる方法jもあります。
主訴の奥に視線を送るやり方ですね。

 すると、
 人気がないから、
    馬鹿にされているから、
      自分に自信がないから、
 とか、いろいろな不満足が言葉に表れてくるかもしれません。

 とすると、
それらの不満足を解決したいとの理由から、たどり着いた答えが
モテたい! モテるようになりたい!
 と考えられます。

 そうだとしたら、
 寂しい気持ちを共有したり、
独りじゃないこと、すでに少なくない人たちから優しくされていることを確認したり、

 世間の目を気にせずともOKだということを納得したり、

 自信をつけるために、他の方法を考えたりと、
たくさんの解決方法を考えつくこともできます。

 モテるようになる! 以外にも方法が見つかると、不満が解決する可能性は上がります。
だって、あれもできるしこれもできるからです。

主訴と、不満の核心が異なることは往々にしてあるもの。

 学校行きたくない。
   仕事したくない。
      スマホもういらない!

 言葉にされた主な訴えの奥にある思いに、意識を向けてみることは有用です。

 主訴に振り回されないように、常にその人の心の奥に意識を向けていることはとても大事だと思っています。


タグ :主訴核心

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