ゴッドファーザーといつわりの感情

2012年03月23日

 先日、映画・ゴッドファーザー三部作を一気観しました。
全編緊張感が続くヘビーな映画ですね。
 それにしても食べるシーンの多いこと多いこと!
グルメ映画なのか!? とつい思ったりもします。

 さて、その中でDrug racketで逮捕。
という新聞記事が出てきました。
 麻薬密売で逮捕という意味ですね。

TA・交流分析には、ラケットという考え方があります。
 このracketが語源だと言われています。

人は、育った環境から、特定の感情を勧められます。

 例えば親から
女の子は怒ってはいけない、むしろメソメソ悲しみなさい。
男の子は悲しんではいけない、むしろ怒りなさい。
 と言われるように。

侮辱されたら怒るのが自然。
失ったら悲しい気持になるのが自然。
 なのに、
怒りでなく悲しみなさい。
悲しまずに怒りなさい。
 と本来自然な気持ちを別の気持ちと交換することを勧められるのです。

交換すれば、OKで家族として認められる。
そうでないとNot OKで、家族ではなくなる。
 こういう条件なので、応諾するしかありません。

 うむをも言わせぬ強引な取引ですね。
その出来事にふさわしい怒りや悲しみという本来自然な気持ちを売り渡してOKを手にしたようなものです。
 そしてこの売買は、当事者たちも気づかぬほどにひそかに行われます。密売みたいに。
 この密売によって得た感情をラケット感情と言います。

 しばしば感じるおなじみの気持ち、ムードなどのうち、後味がスッキリとした喜びでないものは、ラケット感情の可能性があります。

 そんな時わたしたちは、
怒ってるのではなく、困っている。悲しい気持ちなのかもしれません。
または、悲しいのではなく、怒りを感じているのかもしれません。




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Posted by 聞風坊 at 13:51│Comments(0)交流分析
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