人と関わりたいひきこもり

2011年10月09日

 毎年実施されているひきこもり全国家族会会員及び関係者を対象にした調査報告の2010年版によると、
※ 「引きこもり」の実態に関する調査報告書⑦~NPO法人全国引きこもりKHJ親の会における実態~(境ら 2010年3月)より

 以前こもっていた人たちに、パソコン使用について尋ねたところ、
家族は自宅内での娯楽のためと見ているが、その実、

パソコンより携帯利用率の方が高い。
その利用時間も依存症レベルではない。
利用目的は、他者と交流するためが多い。

という結果が得られました。

 家族の認識と本人の実体は違っているのですね。
このことは、家族においては、ちゃんと実体を観察できるようになることが重要であるとの示唆を与えます。

 そして、こもる人は、人との交流が嫌で、交流したくなくて、一人で生きていきたいのだという一般的認識に、疑問を投げかけます。

 いわゆるネット依存も、ネットのコンテンツに夢中になっているばかりでではなく、ブログやSNS、掲示板、ネットゲームなどにおけるネットでの人間関係を重視するあまりに、結果としてネット漬けの生活様式になった面があるようです。

 例えば、以前テレビでネトゲ廃人のドキュメント番組でレポートがあったように、自分がネットから離れることにより、仲間が迷惑を被ることを避けようとするあまり、パソコンの前から離れられなくなるというような。

 そう考えると、コンテンツというモノに依存しているというより、人との関わりという関係に依存している面が強いかもしれません。

 パソコンを捨てられて、またはネット接続を解約されて、暴力事件を起こしたという記事を散見します。
これも、唯一の他者との関係を、知らぬ間に、有無をいわせず、断ち切られた憤りと、悲しみと自暴自棄の表れなのかもしれません。
 その痛みの強さは、人類史以来やってはいけないことのトップにある暴力を犯すほどに。

 こもる人は、人であるがゆえに、大切な人を傷つけないように、また自分が傷つかないように、という思いやりから、関係から身を引き、こもるのかもしれません。
 そしてまた、人であるがゆえに、それでもなお人と関わることを希求して止まないのでしょう。




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