不登校とひきこもり

2011年09月30日

 政府統計である「学校基本調査」(H23年度)と「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(H22年度)によると、

小中学校の不登校(30日以上欠席した児童生徒=長期欠席者)者数は、11万5,000人
高校では、5万3,000人
 ということです。

 一方、「「引きこもり」の実態に関する調査報告書8」(境ら 2011)によると、
こもっている人のうち、不登校経験者は40%で、
 不登校状態からひきこもり状態になった人が多いと考えられる
 ということです。

 この調査は、こもる人の発達障害についても調べてあり、こもる人のうち20%強が発達障害である可能性が指摘されています。
 これは、いくつかある不登校の原因のうち、発達障害により学校生活に困難を覚えて学校に行きづらくなった。という示唆を私たちに与えます。

 さて、数年前から、ひきこもり界においては、親の高齢化とともに本人の高齢化が問題視されています。
高齢になると、就労をはじめ社会参加が難しくなるからです。

 長期に社会から遠ざかっていればなおさらです。
 小学校不登校の頃から数十年間、社会と距離を置いた生活をしてきた人が、千変万化する現代社会に簡単に参画できるとは思えません。

 今、こもることによる苦痛を軽減する一つの方策として、
就労・生活支援などの長期高齢化対策に加え、
不登校段階で児童生徒をしっかりサポートし、社会参画の道筋を付ける。

 ということもあるように思えます。



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この記事へのコメント
ヘルさんへ
 いつもご訪問ありがとうございます。
慣れないブログで、お返事が遅れました。

 私たちは、こもる癖というか、引くことが習い性になっているのかもしれませんね。自分が撤退すること、それが最善の方策だと思っているかも。
 最近、それ以外の方法を追加してみようかと思い始めました。
Posted by 聞風坊聞風坊 at 2011年10月09日 09:14
はじめまして。
「おこもり堂だより」のブログから拝見させてもらっている者です。

高齢化・長期ヒキの張本人としては、
幸い今は両親とも健康で働いてもいますが、親がどうにかなる前に、
どうしようもない自分が消えることが一番だと考えています。
それは働けない自分の人生から、
親の介護などできないことからの「逃げ」かもしれませんが。
Posted by ヘル at 2011年10月02日 18:23
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