クレプトマニア回復支援の研修に参加したのでした

2020年04月17日

 昨年末に、司法関係つまり弁護士さんや警察や検察、裁判所、刑務所拘置所少年院鑑別所、保護司さんたちの仕事関係の研修2つに参加してきたのでした。

 ふだんの生活ではなかなか出会わない参加皆さんは一様に、休日昼間のカジュアルな時間にも関わらずなんとなくピシッとしたたたずまいで、だるんだるんのノリで参加した私の気持ちも一気に引き締まったのでありました。

 さて、参加した研修の一つは、クレプトマニアのために何度も何度も刑務所に入所することを繰り返す人をどう支援するかの研修会でした。
宮崎TSネット設立準備会さんの主催です。

 クレプトマニア=窃盗症は、DSM5にも記載があり、ここ数年注目されています。

 お腹を満たすためにとか、その品物がどうしても必要だったから盗むのではなく、

 盗むことそのものが目的で、その気持ちを抑えることがとても難しく、どうにも盗みを繰り返してしまう病的な状態のようです。
 ※盗む行為・盗む行動することが強い歓びを引き起こすので行為・行動の抑えが効かない状態。

 いわゆる病気の状態なので、治療が必要なのですが、非行傾向だとか、性格だとかとされて、懲罰によって戒めることがよくなされているそうです。

 でも、それではなかなか改善しないので、繰り返し窃盗し続ける。
 すると、刑罰はどんどん重くなる。

 究極、
 一生のほとんどを、または一生残り十数年を刑務所で暮らすことになることにもなりかねません。

 この連鎖をどのように断ちきるか?

 と考えると、刑務所の中ではなく、社会で暮らしているときが勝負となるようですす。

 再犯予防のために、加害者も被害者も作らないために、地域社会がどのように配慮すればいいのか?
 これができるかできないかの勝負ですね。

 さて、
 行動のコントロールが利かない問題としてまっさきに思い浮かぶのは依存症です。

 アルコール・薬物・ギャンブル依存症がよく知られています。

 アルコールや薬物やギャンブルが、
 それらのみが、自分に快感をもたらす=自分の癒やしてくれるので、
 どんどんと量や回数や時間が増えていきます。
 仕事ができないほどに、学校に行けないほどに、家族が心底苦悩するほどに、身体を壊すほどに。
 そうなっても、渇望を抑えることができない。そんな病です。

 だから、
 それら以外の癒やし、
 特に誰かからねぎらわれる機会を手にすることが回復の大原則です。
 ※自助グループはその筆頭

 理解と共感と受容。そして自助努力。

 クレプトマニアからの回復の場合も、きっと同じことなんだろうと思ったのでした。

 司法関係の人の、地域福祉関係者の、そして日頃関わる人の理解と共感と受容。
 
 そして治療を受ける、自助グループに行く、日頃の生活からストレスに気をつける、
 などの本人の自助努力。

 ですね。
  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)研修受講