ひきこもりフォーラム2019夏3 訪問のこと

2020年01月16日

居場所はイイ!

というのが一面的な評価であるのと同様に、

訪問がイイ!

と言うのもあります。

いつの頃からか、ひきこもり支援と言えば訪問だ!
訪問すれば出て来る!
訪問しかない!
みたいな雰囲気で、

ひきこもり支援関連の報告書や提言や白書や書籍論文では、
何かにつけ、訪問する重要さが取り沙汰されています。

でも、私聞風坊始め当事者は知っています。

訪問は当事者から嫌われていることを。
だから訪問は意味がないことを。
そして、
ときどき効果が出ることを。

だって、誰かと関わることが嫌でこもっているのだから、
誰かから訪問されてうれしいわけがないもの。

そりゃハリウッドスターやトップアイドルが訪問しに来るっていうのなら、心も動くかもしれないけど、

それでも、
その人たちが家に来るってリアルに考え出したら、
今の自分の状況に恥じ入って、ムリムリムリって、いよいよ頑なにこもるような気もします。

フォーラムでは、訪問は嫌われている。
ということを伝えたら、びっくりした人も居ました。

訪問は、
こもる人のこもりたい心に寄りそいつつ、
外にも興味があるし人とも関わりたいというわずかな気持ちをくみ取れる人のみができるとても忍耐が必要な支援法なんです。

困窮者支援の就労支援員が、就労支援として訪問して成功するような絵空事は通用しない支援法なんです。

当日配付資料p2







  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)ひきこもる発達障害不登校

ひきこもりフォーラム2019夏2 居場所のこと

2020年01月13日

居場所というのがあります。

ひきこもりや不登校始め、自分の居場所がないなぁと思っている人が、
利益を得るのに効果的とされています。

だから、全国津々浦々に居場所を設置しようと頑張る運動があります。

でも、私聞風坊と当事者の多くは知っています。

居場所で傷つく当事者がいることを。

必ずいさかいが起きることを。

居場所にも行けない当事者がいることを。

その事でまた悩みが深くなり、いよいよ社会にも出なくなる場合があることを。

誰でも安心していられる居場所。

夢のような居場所。

は世の中にないことを。

そして、
そんなこんな思いを胸に、

居場所できました!
のチラシを見たとイメージしてみたところ、

どうにも行く気にはならないだろうこと。

何かしてもいい、何もしなくてもいい。
のなら、家にいるわ。と思うだろうこと。

友達みつかるよ。の誘い文句なら、
いらんし。
と思いそうなこと。

を予想するのでした。

さて、フォーラムの議論では、
支援というのは、
社会復帰つまり復学進学就労を最終的に目指していることを前提としているので、

居場所の効果の評価については、
復学進学就労した数が多い方が居場所の評価が高いとなる。
運営資金も得やすい。社会的評価も高くなる。

こんなことから、
当事者側から、
居場所開設者の意図に応えねばならない場としての居場所である懸念が提示されました。

有り体に言えば、
何かさせられそう。
居場所での居方(どのようにして過ごすべきか)を強要されそう。
と言う懸念です。

居場所を設置したい人の話しぶりを聞いた当事者の人は、
誰か(社会・親・支援者)の思惑どおりにせねばならないという臭いを感じ取ったようです。

そういうものから撤退して、心の安全を得ているひきこもり当事者が、そんな場に行くわけないよ。
もし、そういう魂胆を隠して、明るい居場所を喧伝するならば、それは当事者を欺く行為だ。
という思いを私聞風坊は感じました。

でも、フォーラムのその場に、
こんな、当事者としてはありきたりの思いも、感じ取れる支援者はいませんでした。
初めて聞いた感じ。

当事者同士集まれば、明るく元気に楽しくやれる。
そんな幻想をまだ持っているのかもしれません。

当事者感覚への無理解を再確認したのでした。

そうして最終的には、

親・家族は家庭の外に我が子の居場所を作ろうと頑張るのだけど、
なぜ、家庭の内に我が子の居場所を作ろうとしないのか?
それは自分たちの居場所と共有するのだけど。

という疑問を持ったのでした。

なぜなんだ?


当日配付資料P5


  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(2)ひきこもる発達障害不登校

ひきこもりフォーラム2019夏の話1

2020年01月10日

 2019/8/11(日)に、宮崎ひきこもりネット企画運営の恒例ひきこもりフォーラムを行いました。

 私聞風坊は、
久しぶりの当事者としての登壇で、ひきこもり支援の歴史について話しました。

当事者から言わせると、支援を語ることは、自分たちがどのように扱われてきたかを語ることになります。

そのため、私のお話しは、私が支援者や社会からどのように扱われてきたかの歴史となり、

それは無理解と誤解と強要と社会の都合に振り回された、

恥辱の歴史となるのでした。

なぜなら、
ひきこもり当事者は劣った者
としてこの20年扱われ続けているからです。

きっとこの先もでしょう。

だって、精神病患者、身体障害者患者、病気、障害当事者の人たち
に対するこれまでの扱いがそうであったからです。

人の意識は簡単には変わりません。

そんな中で、当事者は暮らしていかねばなりません。

だから、
したたかに、時にあつかましく、ときに従順に。

世の中のいろいろなことと、
自分の心のいろいろな思いと、
自分の身体のいろいろな反応と、
よろしく折り合いをつけて、

他人の中でやっていくのですね。

さて、
いくつか議論がありました。
主だったものをこれから数回にわたって記していきます。
気長にご覧下さいませ。

居場所のこと。

訪問のこと。

601人のこと。

当事者呼称のこと。

福祉臭のこと。

期待のこと。

ひきこもり始めた年齢のこと。

ひきこもり支援について

などです。


当日配付資料p4

  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)ひきこもる発達障害

【告知】子どもの貧困の連鎖を断ちきるために他職種連携フォーラムのご案内

2020年01月08日

子どもの貧困は、大人・保護者の貧困から来ます。

保護者の働き口がない。
シングルだと就労と子育てを両立するのはとても難しい。
働いても働いても収入が増えない。
働けるほどの健康が安定していない。

などから、
子どもの
食が十分でない、
勉学が十分でない、
友人付き合いが十分でない、
進学を含むその子の将来へのサポートが十分でない
などの問題が起きます。

ゆえに、
労働、保健、医療、福祉、心理、学校・教育分野等々の関係機関連携が必要です。
親への支援、子どもへの支援の両方必要です。
支援する人への支援も当然必要です。

個人のスキルアップと同時に連携力も向上させねばなりません。

NPO法人Swing-byさんが、下記チラシの通りフォーラムを開催します。
皆さま、是非のお運びを。

案内チラシ↓


  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)告知

【告知】子どもの心の育ちを支えるためのイベントのご案内

2020年01月06日

子どもが自立に至るまでの「心の育ち」を大人たちはどう支えるか?
子どもの自立に役立つ支え方を考えるイベントがあります。

以前記事でご紹介した田中氏も講演されます。

主催・宮崎県
実施・里親普及促進センター宮崎さんの体制で
下記チラシの通り開催されます。

皆さん、どうぞのお運びを。

チラシ↓


  


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