宮崎県ひきこもり地域支援センターの報告書について思ったこと 5

2019年11月02日

国のひきこもり対策推進事業にもとづいて、
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html

宮崎県ひきこもり地域支援センターは、宮崎県精神保健福祉センター内に設置されています。(平成26年7月~)
http://seihocenter-miyazaki.com/hikikomori.html

先日、平成26年7月~30年6月までの4年間の支援状況についての報告書が公開されました。
上記URLの最下部にあります。

これについて、思うところを記します。その5 最終です。

報告書には解析もあります。
私が関心を持ったのは、外出ができている場合は支援機関を利用するまでに時間がかかるという分析結果です。
そのうちによくなるだろうと思うのでしょうか、年齢が上がってから相談する傾向があるようです。

年齢が上がると、健康上、就労機会上、制約が大きくなります。
だから早いうちに、支援機関につながっておくことが大切なんです。
自分たちだけで苦労を抱え込まずに。

一方で、
不登校ということで、児童の頃から問題を抱えていることを周囲に知られていると、早めに支援機関につながるようです。
普段からの周囲の気遣いは、その子の困難の軽減に役立ちます。

さて不登校についてです。
不登校は30日以上欠席した(状態の)人だそうです。定義上、病気や経済的な理由は除くとされています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/shidou/yougo/1267642.htm
↑「4.小学校及び中学校における長期欠席の状況等」にあります。

ひきこもりは、半年以上家族以外の人と関わりを持っていない(状態の)人と言えます。

今回の報告書では、
「不登校を契機にひきこもり状態に移行する様子がうかがわれる」とあり、
不登校状態とひきこもり状態の垣根は低いようです。

現実的に、
不登校とされている人のうち、ほとんど自室にいるとか、人と関われないとかの状態の人はいます。
この場合は、不登校と言うより児童期ひきこもりと捉えた方が妥当に思えます。

学校に行かない「不登校」が問題というより、人と関われないことの問題の方がより根幹にあるように思えるからです。

人と関わるのがつらい。だから学校にも行けない。通学・外出すらできない。
人と関わることが少し楽になれば、外出・移動はできる。人と関わることも。通学も。

そんなことから、
ひきこもり状態の不登校者については、
不登校支援というより、児童期・少年期ひきこもり支援として、支援を見直す必要があるように思えます。

また、
家族と食事をとるひきこもりの人は、直接に支援できるそうです。
医療機関に通える人も、同様だそうです。

誰かと関われる人は、誰かからの支援も受けられる。
そういうことのようです。

誰かと関われる。

誰かと関われないからひきこもる。

児童・少年期から若年、中壮年、高齢期すべての人生の時期において、
人と関わる。
ここにポイントを置いた支援がひきこもり支援の肝心に思えます。

このシリーズ終わり

  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)ひきこもる不登校