牙をむく行為は、暴力を防ぐためかもしれない話。

2019年02月15日

 示威行為とか、威嚇とか、牙をむくとか、にらむとか、

 と言う行為は一般的には控えた方がいい行動です。

 なぜなら、暴力的だから。

 そうなんです。

 暴力的。

 ということは、
 実際に暴言や暴力をふるってはいないのです。

 その前、

 直前なんです。

 ここから紙一重で暴力に及びやすい状態ではありますが、

 まだ暴力していないぎりぎりの状態。

 さて、
 暴力直前のこの状態の意味と言うか効果について考えます。

 私は怒ってる!

 暴力するぐらいだ!

 と言う表明です。

 それを受けた相手は、ちょっとビビります。

 その瞬間、激突しそうなやりとりに一瞬の空白が生まれます。

 ここが大事!

 牙をむく行為である威嚇は、一瞬立ち止まり、行動に移ることを躊躇させる効果があるようです。

 それは、緊張がエスカレートした次の段階である暴力から少し距離を置くこととなります。

 本当にやるの!?

 本当にやるぞ! いいのか?!

 と言う問いを相手と自分に投げます。

 そうして考え直す機会を作ります。

 この段階で、緊張をほぐし、融和への道を進むことは懸命です。

 平和を目指す。
 これが威嚇の真の目的かもしれません。

 だから、動物にはこの能力がデフォルトとして備わっているのでしょう。
 テレビや日常で牙をむきあう動物たちを見かけることは、そう珍しくはありません。

 一方で、威嚇から暴力・闘争に発展することは少なくありません。

 だからら、
 威嚇が暴力の合図、

 牙をむいたらやってイイ証拠。

 なんて風に思っている場合も少なくないかもしれません。

 でも、
 私たちにそなわっている威嚇、牙をむく能力の本来の目的・意図は違うようです。

 どうやらそれは、
 衝突を防ぎ、暴力をしないため。

 つまり、
 平和のためのようです。

 とはいえ、牙をむかなくてすむ、より緊張が低い自己主張の仕方はあります。

 私は少し怒っています。

 と怒りの感情を言葉で落ち着いて伝えるやり方です。

 実はこれで十分。
 相手は一瞬躊躇します。威嚇と同じ効果。でも、暴力的ではない。

 そして、
 お互いに衝突を避け、緊張を緩める方法を考える機会を提供します。

 暴力しないやり方はいくつもあるという話でした。

  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)心理・カウンセリング