まだ会っていない仲間のことを思う話

2018年04月10日

 当事者運動の腹構えシリーズです。

 自助グループで私聞風坊が学んだことを思いつくままにお伝えしています。

 今回は、仲間のことを思う腹構え。

 グループは、決まった日時に集まってミーティングします。

 誰も最初は緊張し、言いっぱなし聞きっぱなしや、本名を名乗らないなどの独特のルールに戸惑いますが、

 それらがすべて自分たちへの思いやりと成長のためであることを知り、

 次第に心は落ち着いていきます。

 何度も顔を合わせるうちに、 

 お互いに見知った仲間となり、

 今までの人生で誰にも話したことのない心のうちを話すようになります。

 同時に、

 今までの人生で誰に対してもしたことのないように仲間の話にただ聞き入り心を傾けます。

 そうして、今こうして仲間を得られたことに感謝の気持ちが生まれます。

 仲間の成長のために自分の役立つ体験はないか?

 自分の生活、人生を振り返ります。

 同じような思いで仲間もそこにいます。

 自助グループでは、こうして独特の信頼関係が生まれます。

 地域コミュニティや、学校や職場、趣味の集まりの信頼関係とはちょっと違う、

 距離をとりつつ穏やかな思いやりを基盤とした人間関係です。

 これまでの人生で経験したことのない人との関わりです。

 この時、肝に銘ずることがあります。

 かつての自分たちのように、

 今もまだ、

 信頼できる人に会えていない仲間がいることを。

 自助グループの思いやりは、顔の見える仲間に限らず、

 まだ見ぬ仲間に注がれるのです。

 それが、人類全体、世界全体への思いとなるのに、

 さほどの時間はかからないでしょう。


  
タグ :思いやり


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)自助グループ