野生の労働について考える
2017年07月02日
2017/01/04
に関連します。
以前、100分de名著「野生の思考」を観たのですが、
労働を意味するフランス語はトラヴァイユで、これは”労苦(travail)”、つまり「厭わしい時間を耐えなければいけないというニュアンスが含まれて」いるそうです。
「ところが、例えばメラネシアのいわゆる未開社会の言語には、travailにあたる語や概念自体が」なく、
「古代ギリシャにも、travailに相当する言葉は」ないそうです。
「西欧の労働概念には、神によって科せられた「罰」という、ユダヤ=キリスト教特有の考え方が影響しているよう」なのだそうです。
(引用いずれも番組テキストp89より)
楽園であるエデンの園を、自らの行いによって追放されたために、人は働かねばならなくなったということなのでしょう。
また、西欧の考え方では、自然は人間の脅威であり、だから、人間が生きるために支配し、管理すべきもののようです。
人間社会を発展、拡大させていくという歴史を作るためには、自然の驚異を徹底的に排除し、支配、管理せねばならないようです。
となると、そのための営みである労働は、徹底管理されることになりそうです。
さて、
支配と管理の思想と労働が結びつくと、
1日8時間で週5日、合計週に40時間働くことが、基準の労働の姿。
このルールに従うように、このルールを基準に生活するように。
そうじゃないと自然の脅威には対抗できない!
こんな風になりそう。
労働や労働する者をしっかり管理する姿勢は、ややもすると拘束する印象すら持ちます。
※労働社会の縮図でもある教育現場も、なんだか似た感じがします。
一方で、ポイエーシスという取り組み方があるそうです。
これは、自然や自然物の中にある「はたらき」を、うまく活用して道具や料理などを作り出し、暮らしに役立てる取り組みのようです。
科学技術などの人智を駆使して、目的に合致するように、がっちり設計して、材料を調達し加工して、予定通りに作り上げるのではなく、
自然物がそもそも持っている特性を取り出して、組み合わして、人間に有用なナニカを作り出すのだそうです。
これを可能にするのが、私たち人間が本来持っている野性的な思考力なのだそうです。
後者は、素材を活かした。なんて表現されますね。
自分が決めた型にはめていくのが前者。
自然の持ち味を考慮せず、自分の都合を最優先にする。
型にはまらない自由さがあるのが後者。
自然の持ち味をどうすれば活かせるかを終始考える。
後者的な働き方をする職場環境は、きっと働く人の特性、持ち味を活かし、うまく活用して利益を上げるでしょう。
そこにあっては、労働は喜びになるでしょう。
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これまでの発表や記事原稿を、「聞風坊の図書館」で適宜公開しています。
別サイトになります。こちらもご覧下さいませ。
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