自分でレッテルを選べるかどうかが重要かも

2017年06月15日

 いわゆる支援機関がサービスを提供するにあたっては、

 対象者

 を設定します。

 医療だと、病気やケガの人。
 ※最近は健康な人の健康指導も予防医療としてやってますね。

 サポステや子ども若者総合相談センターなどの若者支援機関は、15歳以上40歳未満の若年層が対象。

 困窮者支援事業は、今困窮しているか、将来高い確率で困窮するであろう人。

 障害者支援は、障害者手帳を持っている人、または疾患やケガなどの診断を受けた人も多くの機関が対象にしています。

 これは、対象に当てはまる人にのみサービスを提供するということです。
 それ以外は対象外なので十分なサービスが提供できないとなります。

 これを、逆の立場から考えます。

 自分の利益のためにサービスを利用しようとするとき、

 だから私たちは、自分が対象であるかどうかということを無意識に考えます。

 そして、
 自分がサービスの対象であると判断したとき、

 それはまた、
 自分が困難を抱える者であるということを引き受けたとき、

 つまり自分は、

 病気である。

 ケガしている。
 
 困窮している。

 働くことの困難を抱えている。

 障害者である。

 疾患を持っている。

 などということを、受け入れたとき、初めて、サービスを利用しようと思い立ちます。

 もし、これらのことを受け入れなかったら、サービスを利用しようとは思いません。

 オレは病気じゃない。

 こんなケガ病院行くほどじゃない。

 困ってるけど困窮者じゃない。自分でなんとかできるもん。

 障害者じゃない。

 疾患はない。

 こんな認識だと利用しません。

 それは、自分が、そういうジャンルに割り振られたくない。
 そういうカテゴリーの人として扱われたくない。
 という思いを含んでいるでしょう。

 私たちがサービスを利用する際は、常にその対象の名前で扱われます。

 お客様。ユーザー。市民。県民。日本人。として。

 患者。障害者。病者。当事者。利用者。として。

 ひきこもり。不登校。ニート。困窮者。子ども。若者。として。

 これら私たちをジャンル分けする名前。

 カテゴリーごとのレッテル。

 で扱われることを引き受けられるか?

 支援機関利用の肝心のようです。

 自分はひきこもりである。

 そう思える人はひきこもり支援制度の恩恵にあずかれるでしょう。

 自分は、精神の病を抱えている。も然り。

 自分は、就労困難者である。も然り。

 自分が自分の利益のために、
 どのレッテルなら引き受けられるか?
 どのレッテルは引き受けたくないか?

 それを知ることは大事なようです。