テンション高過ぎのこと

2017年06月03日

 人の覚醒状態のことをこれから3回の記事で説明したいと思います。

 覚醒・arousalは、興奮とかテンションという意味を含んでいます。

 この覚醒、程度・度合いによって3つの状態に分けて理解するのが最近のやり方です。
 
 これについては、
 シャキッとしている度合いで説明すると分かりやすいでしょうか。

 気合いが入ってテキパキ作業しているときはシャキッとしている。

 睡魔に襲われているときはシャキッとしてない。

 仲のいい人と一緒だと興奮するでもない、だからといって退屈じゃない、ちょうどいいシャキ具合。

 こんなイメージです。

 今回は、一番最初、シャキッとしている状態またはシャキッとし過ぎている状態についてのお話です。

 シャキッと覚醒度が高い状態の時は、集中力は増し、思考力も増し、動作もテキパキで、作業がよく進みます。
 よく気がつき、アイデアも豊富で、問題解決力も高くなります。

 ところが、覚醒が高くなりすぎるとちょっと問題が起きてしまいます。
 シャキシャキ! とシャキッとし過ぎの状態のことです。

 テンション高くなりすぎて、
 いろいろなことに気が回りすぎて収拾がつかなくなったり、

 落ち着きのない動作を繰り返してミスしたり、ケガしたり、興奮状態なのでそれも気にせず作業を続けたり、

 攻撃的になったり、
 逆に怯えて逃げ腰になったり、

 興奮しすぎてパニック状態になったりします。

 感情面に注目すると、
 怖がりすぎたり、怒りすぎたり、悲しみすぎたり、後悔しすぎたり、喜びすぎたりと感情が高ぶりすぎたりしている状態です。

 こうなると、
 心臓が早鐘を打ったり、呼吸が荒くなったり、手さ足先が冷たくなったり、口が渇いたり、

 食欲がありすぎたりなさ過ぎたり、睡眠が困難になったり、お腹を下したり、便秘になったり、吐き気がしたり、首肩が激しく凝ったりすることもあるでしょう。

 この状態になる理由の多くは、ストレスに対する反応とされています。

 ストレスという名の脅威を感じたとき、人はテンションを上げるのです。無意識に。自律神経の交感神経系が活躍して。

 この時、自制心やじっくり考え言葉を操る働きのある大脳は影を潜め、代わりに本能を司る古い脳が表に出てきます。

 意識をシャキッとさせて、注意力を上げ、反射的に身を守り脅威に対処しようとするためです。

 闘うか? 逃げるか? つぶさに自問しながら。

 不登校の人は、学校関係の話になると、この状態になるかもしれません。

 こもっている人は、社会のことや、将来のこと、人と会わねばならないことに話が及んだとき、または部屋に誰かが近づいてくるとき、
 この状態になっているかもしれません。

 世界に脅威を感じたとき、頭脳の中の本能をつかさどる古い脳が、この状態になるのは人として自然です。

 この状態にいるとき人は、とても感情的で、防衛的で、または攻撃的で、非論理的で、会話が困難です。

 本能=古い脳が優性だから、他者と穏やかに関われない状態だからです。

 こんな時は、とりあえず深呼吸を数回。
 そのあとただ呼吸を繰り返す。

 緊張場面から一時退散も効果的。

 風景や匂いや音や体感などで本能が安全を知覚したら、自然とテンションは下がります。

 さて次回は、テンション低すぎの状態についてのお話。