誰から見つけられるかでその人の人生が決まる話 1

2021年02月26日

なにかしらで困っているとき
や、
誰かの手助けがいるとき
に、

自ら誰かに助力を求めたり、
または、
誰かから助力の申し出があったりして、

困難が解消されることは一般的です。

ところがこの際、
(あなたが)助力を求めた相手、
または(あなたの力になろう)と助力の申し出をしてきた相手

の立場によって、

困難が解消されるかどうかが決まることは少なくありません。

解消するかどうか、
相手次第の面があると言うことです。

どういうことでしょう?

”誰に”発見されるかで結果が違ってくるように思えるからです。

例えば、
スポーツの才能、勉学の才能、アートの才能、職業上の才能・・・などなど。
発見されたからこそ、その才能が開花し、人生の往く道が決まることが多くあります。

才能を見出し、才能を開花させ、伸ばし、そして次のステップへつなげられる人に発見されれば、存分に自分の才能を発揮できる人生を送れるでしょう。

また例えば、
虐待や逆境体験から逃亡した未成年が、夜露をしのごうと他人の住居に侵入して警察に捕まると、

非行少年として発見されたことになるでしょう。

悪いことをした人として公認されその認識にもとづいて対応されるでしょう。

つまり、
虐待などの心の傷みのケアは後回しにされ、懲罰指導・再犯防止に重点を置かれると言うことです。

この未成年者がもし、
学校に通ってないときに、先生から発見されたとしたら、不登校児童生徒になるでしょうか。

そうなったら、
不登校児童生徒として公認され対応されるでしょう。

もし、
眠れてないようだし食欲もないようだし、全体的に具合が悪いようだから、なんかの病気かもしれないからと保護者が心配して、

精神科を受診したとしたら、精神疾患の患者として発見されることになるでしょう。

精神的な不調の未成年者とし認識され治療されるでしょう。

もし、
ひきこもりの支援機関だったらひきこもりとして。

またもし、
ワンストップ相談窓口に行って、就労支援が希望だとなったら、ニートとして発見されたことになるでしょうか。

そしてもし、
親が学校の先生だったり、弁護士だったり、宗教家だったり、医者だったり、里親だったりしたら・・・。
先生の子ども、弁護士の子ども、宗教家の子ども、医者の子ども、里親の子どもとして発見され、認知されるでしょう。

そして、
理想的な環境で養育されてる!
虐待があるなんてあり得ない!
と決めてかかられることが多いでしょう。

その環境でひどい目に遭っているなんてまさか!?
って感じで。

そのためもし、
不適切な養育を受けていたり虐待があったりしたとしても、
発見は相当遅れるかもしくは発見されないでしょう。

『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』(山寺香著 ポプラ社刊 2017)
という本があります。
祖父母を殺めた被虐待児童のドキュメンタリーです。
この未成年者は、犯罪者として強く発見されます。

でも実は犯罪者として発見されるまでに、いろんな大人たちに発見されていました。

実父とも交流はあったし、親戚もいたし、数年間とはいえ学校にも通っていたし、生活保護も受けていたし、児童相談所も関わっていたし、仕事もしていたし・・・。

インフォーマル、フォーマル両方の大人たち、特に虐待に意識の高い教育や福祉の専門家すら関わっていたんです。

それは、
犯罪者として発見される前にいろいろ場面でたくさん発見されていたことを意味しています。

でも、これといって手助けしてもらえなかった。
虐待環境から救出してもらえなかった。
罪を犯して、やっとしっかり発見された。

そうしてやっと裁判を通して逆境体験に目が向けられた。
やっと一番の核心を発見してもらえたのでした。

それは、(社会が・大人たちが)何をすればいいいいのか? の発見でもあったようです。

社会や大人たちは、少年が罪を犯すことで犯罪少年を発見しました。
そして、法に従い犯罪者として収監しました。
収監したことが虐待環境から救い出すことになったことを発見しました。

裁判によって、少年の境遇がつぶさに明らかになってきました。
報道によって、社会の多くの人が少年を発見しました。
犯罪少年が虐待を受けた児童であったことを認識しました。

ジャンルでいうと、司法の力が発揮されたとなります。
司法の力で裁かれ、刑を受け、そして救われるきっかけが生まれた。

でもそれでは遅いので、
そうじゃない方法で、救い出す方法が必要なんだということを発見(気づき)しました。

いえ、思い知らされました。

発見だけじゃなく、救い出す行動が必要であったのだと発見しました。

この項続く  


発達障害は治療機会よりも練習機会の方が必要だろう

2021年02月14日

発達障害は、生まれつきの脳機能の問題。

脳の特性由来。

脳の情報処理の特性。

なんて言われています。

私は、
脳の癖という言い方が気に入っています。

いずれにしても、脳のもともとの性質のために、社会参加にあたって障害が起きると解釈されています。

では、この障害を軽くするにはどうすればイイか?

発達障害は、精神科で診断が降りるのですが、
じゃ、精神科医療で治療されるかというと、いまのところ発達障害そのものは治療の対象ではありません。

脳の特性から、不安になりやすいとか、衝動的とか、人とうまく関われないことなどから抑うつ状態になったとかという問題に対して、薬が処方されることはありますが、

それは、付随する問題であり(いわゆる2次障害)、発達障害そのものを治療しているのではありません。

発達障害から来る問題というか困りごとの解消には、練習が効果的とされています。
療育と言われることもあります。

成人発達障害でも、場面場面ごとの適切な振る舞いを練習するSSTなどはまさにこれです。
これらは、薬による回復を主体とする精神科的治療とはおもむきが少し違います。

脳の可塑性と言われていることですが、脳は年齢に関係なくいつまでも成長するのだそうです。
脳機能の問題なので、脳機能を向上させればいい。
それには練習を重ねることが効果的という、練習すればうまくなるという誰でも知っている実は至極簡単な話です。

このことは、裏を返せば、
その子、その人にとって、問題を解消するための練習相手が十分にいなかったから、脳の十分な発達が遂げられていないことから、発達障害が生じていると言えるかもしれません。

それは、
この子は、この人は、人の話をさえぎる癖がある。これでは、この先ひとりぼっちになりそうだ。
人の話をさえぎらずに自己主張する練習をしようじゃないか。
そんなまなざしで接してくれる人の存在が、不足していたかもしれないことを示唆しています。

その子、その人の問題ではなく、練習機会がなかった。
そこに問題を置いて、

だから、練習の機会を提供する。

脳の発達に障害がある。
と言うより、
脳の発達が障害を受けている。
だから、障害を除いて脳の発達を促そう。

そんな考え方の方が、よりなじむように思えるこの頃です。
  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)発達障害

良好な親子関係は身体にいいみたい

2021年01月24日

不登校や発達障害や、子どもの心理的ケアは、まずは環境調整からと言われています。

家庭生活では、
部屋をきれいにする。
身体も清潔にする。
騒音から遠ざかる。
室温を寒くもなく暑くもないようにする。
湿度を乾くでもなくジメジメでもないようにする。
まぶしくなく暗くもないように日中を過ごし、夜は明かりを落とす。
などなど。

それらに加え、
学校生活では、登下校時間の調整や、個室学習や、参加する教科の選択なども為されます。
給食の献立の配慮もあるかもしれませんね。

こんな風に、
その人が暮らす周辺の状態≒生活環境を心地よいものにする。
せめて心地悪くないようにする。

すると、身体が本来持っている健康になる力が発揮されて、
元気を取り戻す。
成長が図られる。
となるからです。

環境のうち、
親子関係は、人的環境なんて言われます。

親子関係が悪いと、
元気はなくなり、
不機嫌になり、
健康を害します。

だから、親子関係の改善は、大事なんです。
病院に行くよりも、学校に行くよりも、カウンセリングするよりも。
まずもって改善する点なんです。

さて、
心理支援の基本的手順として、まず身体をみる
というのがあります。
身体の異常から、心理的不健康が起きていることが少なくないからです。

身体の異常がありそうなときは、まず内科(または外科や歯科等も)の受診を勧めます。
身体の状態がまず良くなってからその上で必要な心理支援をやるという手順が標準的です。

環境調整は、この手順の一つとなるでしょう。

いい環境は身体にいいんです。
身体が喜ぶと心も喜びます。
心理・メンタルにいい影響があるんです。

いい環境は。
いい親子関係は。
  


Posted by 聞風坊 at 06:00Comments(0)発達障害不登校

暮らしやすい社会の実現に向けて国が方針を決めたようです

2020年12月16日

今回もお堅い記事です。
勉強中のことがらです。

現在、世の中は、
子育てのことならなんでもここへ
介護のことならとりあえずここへ
就職についてならここへ
労働中のことならここへ
ひきこもりのことならここへ
発達障害のことならここへ
障害のことならここへ
法律のことならここへ
病気のことからかかりつけ医へ
・・・

のような感じで、大きなジャンルごとに、一ヶ所の窓口で対応しようという雰囲気が醸成されてきています。

ところが、
これらの困りごとが関連し合って、暮らすのに苦労していることは少なくありません。
だから、
複数のジャンルの困りごとをなるべく一息に解決しないと暮らしづらい。

なので、
このジャンルの壁すらも取っぱらって、
相談と言えばここへ。
的な相談の仕組みを作ろうとしています。

誰が?
国が。

そのために、
社会福祉法も改正されたとか。

そこで、
国はどのような形に仕組みを変えようとしているのか?
調べてみました。

厚労省サイトのページ↓
"「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(地域共生社会推進検討会)」の最終とりまとめを公表します"
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00020.html

に概要が公表されていました。

読んだところ、

相談機関一ヶ所でなんでもかんでも相談を受けるという、いわゆる「断らない相談支援」を実現するためには、
※この現実離れした理想を実行するためには、

1つの機関を立ち上げて、丸投げすれば事足りるということはないので、
世の相談窓口を一ヶ所にまとめて、大相談窓口を作ろうという発想のようです。

これなら、
困りごとの相談に来た人は、この大相談窓口にワンストップしていれば、問題が解決しそうな気もします。

他にご相談事はありませんか?
法律の相談も、学校関係の相談もあそこに座っているので今なら対応できますが?
介護の相談でしたら30分後に予約ができますが。いかがですか?

的な案内を、生活困窮の相談員がやるかも。

こんな仕組みが出来上がってこそ、ワンストップ相談は実現可能ということですね。
国はそう考えています。

一方で、相談だけで解決する問題以外の問題もあります。
困難を抱える人が、自分の問題解決に自ら取り組むことでしか解決しない問題です。
例えば、職に就くこと。通院などして病気やケガを治すことなどなど。

これについては、「(社会)参加支援」という枠で捉えているようです。
社会活動に参加することができないことで不利益を被っている人に対して、参加できるように支援するのですね。

となると、
適切な支援ができるように、利用者はニーズごとに選別されるでしょう。都合、支援を断ることもある。そんな支援。
就労支援を望むなら病院ではなくハローワークやサポステです。
逆もまた真なり。

と、ここまでは、困難を抱える人の努力によって成果が変わってくる支援でした。
相談窓口での気持や考えが整理できたか?
アドバイスに基づいて解決にむけ自ら実行できたか?

相手の変化に寄りそって伴走していく「相談支援」も、
相手の変化に付き添ってトレーニングしていく「参加支援」も、
いずれも相手が変化することを支援するスタイルです。

つまり、
相談したり、実行したりと
自らがどれくらい自分の問題に取り組んだか?
自分が自分のためにどれくらい頑張れたか?
によって、自分の暮らしやすさが左右される。
それを支援する枠組みでした。

では、
自力で自分の状況・状態をよくすることが難しい人は、一生暮らしづらいままで暮らさねばならないのでしょうか?
そんな社会を目指すのでしょうか? 
日本は?

そうではないようです。
「地域つくり支援」というのも新しい仕組みの柱の1つになっています。
あらゆる人が、その人らしく暮らしていける地域になるための支援のようです。

これまで、
何かにつけて地域の力が取り沙汰されてきましたが、地域が力をつけるための仕組みは不足していました。
なんだかんだといって、地域住民に丸投げされている感じ。
その力が不足しているのだから現状があるのにも関わらず。

不登校やひきこもりの親に対して、不登校・ひきこもりの子どもの力になってやれと、
判で押したように言う(無能な)支援者と一緒。
そんな力があるならば、または残っているのならば、とっくの昔にやっているだろうに。

この状況を打開するためでしょう。
自力がとても弱くなっている人でも、安心して暮らしていけるところの力強く頼りになる地域を作ろうとしています。

以上のように、国は、
断らない相談支援、参加支援、地域作りの支援の三本柱で仕組みを作るようです。
これらのことがホントに実現できれば、だいぶ暮らしやすい社会になるように思えます。
でも、まだまだ絵に描いた餅の状態。
これを食えるようにするのは、市町村基礎自治体の仕事みたいです。
まさに地域の力が問われている!

足下、県都・中核市・宮崎市では、どうでしょう?
調べてみると、
自立相談支援センターを中核にしてこの議論がなされているようです。
※センターに関する宮崎市の案内URL
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/health/welfare/protection/226658.html

いっぺんに全部を実現するのは難しいとして、断らない相談支援体制の確立から実行しようとしているようです。
手堅い!
※宮崎市議会の様子がサイトにアップされています。「断らない相談支援」で検索すれば当該記録にヒットします。
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/parliament/
  


【告知】子育て情報ポータルできました

2020年11月08日

一般社団法人みやざき子どもサポートリンクさんが、
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みんなあつまれ ひなたde子育て情報フェスタ!
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